市場調査会社の米Gartner, Inc.は,携帯電話機の世界市場に関する調査結果を発表した(発表資料)。2008年第3四半期(7月~9月)の販売台数は前年同期比6%増の3億900万台で,前年同期の成長率16%を大幅に下回った。

 ベンダー別に見ると,フィンランドNokia Corp.が市場シェア38.2%で首位を堅持。しかし,成熟市場と新興市場における買い換え需要が鈍化ししたため,販売台数は前年同期からあまり伸びなかった。

 2位は市場シェア17.1%を獲得した韓国Samsung Electronics Co., Ltd.。「Tocco」や「Omnia」といったタッチスクリーン搭載モデルや,中価格帯モデルに注力したことが奏功し,販売台数が前年同期から26.3%増加した。

 スウェーデンEricsson ABとソニーの合弁企業Sony Ericsson Mobile Communications ABが市場シェア8.1%で3位につけ,米Motorola, Inc.(8.0%)と韓国LG Electronics Inc.(7.8%)が僅差で続いた。

 地域別に見ると,北米が前年同期比4.5%増の4700万台。カナダResearch In Motion Ltd.による製品系列の拡充や,米Apple Inc.の「iPhone 3G」といったスマートフォンが成長をけん引した。EMEA(欧州,中東,アフリカ)地域は同13.1%増の5780万台。日本を除くアジア太平洋地域は,インドや中国といった新興市場が好調で,同13.8%増の1億1670万台。日本は同28%減の940万台で,買い換え需要が伸びなかったほか,高機能モデルの不振が影響した。西欧は前年同期からわずかに減少し,中南米は同5.5%増加した。

 Gartner社のモバイル・デバイス担当リサーチ・ディレクタのCarolina Milanesi氏によると,第3四半期の販売台数が予測を下回ったほか,魅力的な製品に欠けることなどを考え合わせると,2008年の成長率は約8%になる見込み。また,2009年上半期の見通しも厳しく,同年の成長率は1ケタ台前半にとどまるとみる。