市場調査会社の米iSuppli Corp.は米国時間2008年11月26日,同年の液晶テレビの世界出荷台数の予測を下方修正した(発表資料)。景気後退の影響を反映させたとしている。従来予測では出荷台数を9900万台としていたが,これを約6%減の9340万台に引き下げる。また,2009年通期の出荷台数予測についても従来の1億2400万台から約10%減の1億1260万台に引き下げた。

 同社は従来予測を下方修正したものの,この市場は引き続き成長すると見込む。修正後の2008年の出荷台数は前年比18.9%増に相当し,2009年の予測も同20.5%増となる。

 2009年の液晶テレビ市場は,米国と欧州における景気後退の影響や金融引き締め政策のほか,多くの新興市場におけるインフレの拡大などが要因となり,売上高の伸びが鈍化する。しかし,出荷台数は,消費者の強い需要と平均販売価格の低下にけん引されて,引き続き増加する。また,大手ブランドのマーケティングと販売促進努力により,さらに需要が高まるという。

 同社は,不況が予想よりも長引くとして2009年の出荷台数予測を引き下げたが,同市場は2010年中に回復し始めると見込んでいる。