米DisplaySearch社は,120Hz駆動のテレビ向け大型液晶パネルの出荷枚数が,2008年第3四半期に対直前期比57%増の360万枚だったと発表した(発表資料)。前年同期と比べると,21%の増加である。

 DisplaySearch社によれば,パネルの寸法が大きくなるほど,出荷枚数に占める120Hz駆動機の割合は高まるという。パネル・メーカーとテレビのブランド・メーカーが120Hz駆動機の販売促進を行っていることが,120Hz駆動機の普及を後押ししているとする。52型以上のテレビ向け液晶パネルの出荷枚数に占める120Hz駆動機の割合は59%であり,最も高い。40型以上のテレビ向け液晶パネルの出荷枚数に占める120Hz駆動機の割合は27%,32型以上の出荷枚数に占める120Hz駆動機の割合は16%だった。いわゆる「フルHD」対応の32型テレビ向け大型液晶パネルでは120Hz駆動機の占める割合が10%,HDTV映像対応の大型液晶パネルでは6%だった。

 メーカー別の出荷枚数シェアを見ると,首位は韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.。37%のシェアを占めた。同社は主に40型および46型,52型のパネルを出荷している。2位はシャープで,シェアは25%。シャープが出荷するパネルの主な寸法は,32型,42型,46型,52型である。以下,韓国LG Display Co., Ltd.,台湾AU Optronics Corp.(AUO),IPSアルファテクノロジと続く。シェアはそれぞれ20%,9%,8%だった。

120Hz駆動のテレビ向け大型液晶パネルのメーカー別出荷枚数シェア
120Hz駆動のテレビ向け大型液晶パネルのメーカー別出荷枚数シェア (画像のクリックで拡大)

バックライトにLEDを採用したノート・パソコン向け液晶パネルの出荷枚数は前年同期比200%増

 加えて,DisplaySearch社はバックライトにLEDを採用したノート・パソコン向け液晶パネルの市場調査も行った。2008年第3四半期の出荷枚数は対前年同期比200%増,対直前期比63%増の210万枚。バックライトにLEDを採用したパネルが,ノート・パソコン向け液晶パネルの出荷枚数全体に占める割合は5.4%だった。2008年第2四半期の3.4%から順調に増加し,2008年第4四半期には12.2%に達すると予測する。バックライトにLEDを採用したパネルのコストが下落してきたことと,同パネルを採用したノート・パソコンの新機種の発売が,出荷枚数を押し上げているという。米Hewlett-Packard Co.や米Dell Inc.,台湾Acer, Inc.は,2009年前半にバックライトにLEDを採用したパネルを搭載するノート・パソコンの販売を計画している。2009年第2四半期には,バックライトにLEDを採用したパネルが,ノート・パソコン向け液晶パネルの出荷枚数に占める割合は25%に達するとDisplaySearch社はみる。

 2008年第3四半期のメーカー別の出荷枚数シェアを見ると,首位は東芝松下ディスプレイテクノロジーの39%。次いでLG Display社とAUOが続き,シェアはいずれも23%。寸法別に見ると,出荷枚数が多かったのは,12.1型,13.3型,15.4型だった。

バックライトにLEDを採用したノート・パソコン向け液晶パネルのメーカー別出荷枚数シェア
バックライトにLEDを採用したノート・パソコン向け液晶パネルのメーカー別出荷枚数シェア (画像のクリックで拡大)