三菱樹脂と三菱化学は,Liイオン2次電池用のセパレータを共同開発したと発表した(発表資料)。三菱樹脂は,既に同社の長浜工場(滋賀県長浜市)内に,同セパレータの生産設備を設置しており,試作品の提供を開始している。今後,量産化に向けて10億円投資し,2009年夏から生産を開始する予定。生産能力は1200万m2/年となる。販売は三菱化学が担当する。

 今回開発したセパレータは,従来の湿式法と乾式法の課題を改善し,孔の構造を制御した膜を用いている。このため,低温出力やサイクル寿命といった電池特性と機械的強度のバランスがいいという。今後は,耐熱性をさらに高めたセパレータも製品に加える予定。

 三菱樹脂は,2003年にLiイオン2次電池用セパレータの開発を開始。2006年から三菱化学との共同開発を続けてきた。両社は今後,携帯用の小型電子機器や電動工具などの民生用のほか,ハイブリッド車用のLiイオン2次電池用の部材の開発も推進するとしている。