米DisplaySearch社は,2008年第3四半期のテレビの世界市場調査の結果を発表した(発表資料)。出荷台数は対前年同期比6%増,対直前期比11%増の5350万9000台。第2四半期に続いて,高い成長率を維持した。第3四半期末に起こった大幅な需要減少の前に小売業者への出荷を伸ばしたことが,出荷台数を押し上げたという。ただし,第4四半期はこの需要減少の影響を受けるとDisplaySearch社は予測する。

種類別のテレビの出荷台数シェア
種類別のテレビの出荷台数シェア (画像のクリックで拡大)

 種類別に見ると,液晶テレビの出荷台数は対前年同期比32%増の2675万9000台だった。前年同期比で47%増となった2008年第1四半期および第2四半期と比べると,伸びは鈍化した。先進国の市場で供給が過剰になり始めたことと,PDPテレビの価格が急速に下落していることが響いたという。ただし,液晶テレビがテレビ市場全体に占める割合は,初めて50%に達した。

 地域別に見ると,液晶テレビの最大市場は北米で,800万台程度を出荷した。出荷台数の伸びが大きいのは,南米や東欧,中東およびアフリカなどの発展途上国。南米の出荷台数は急速に伸びており,2四半期続けて前年度比の増加率が120%を超えた。画面寸法で最も出荷台数が多いのは32型。32型液晶テレビは,2008年第3四半期の液晶テレビの出荷台数全体の36%を占める。40型以上の出荷台数は第2四半期と同じく約27%だった。

 PDPテレビの出荷台数は,対前年同期比37%増の378万8000台。2四半期続けて,液晶テレビの伸び率を上回った。主要ブランドの積極的な価格設定と,アジアでの32型機種の伸びが貢献したという。50型も大きく伸び,PDPテレビの出荷台数全体に占める割合が直前期から3ポイント増加した。

メーカー別売上高シェアは11四半期連続で韓国Samsung Electronics社が首位

2008年第3四半期のメーカー別の売上高シェア
2008年第3四半期のメーカー別の売上高シェア (画像のクリックで拡大)

 メーカー別の売上高のシェアを見ると,首位は韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.。同社は11四半期連続して首位を維持している。売上高シェアは22.5%。売上高は前年同期と比べて36%増加した。この伸び率は上位5社の中で最も大きい。同社はメーカー別の出荷台数でも首位となった。

 2位はソニーで,シェアは対直前期比0.9ポイント増の13.3%。5四半期連続の2位である。売上高は前年同期比で26%増加した。3位は韓国LG Electronics Inc.で,シェアは対直前期比0.5ポイント減の10.9%。売上高は,前年同期比で27%増だった。以下,パナソニック,シャープと続き,シェアはそれぞれ8.6%と8.0%だった。