投資会社の米Merrill Lynchは米国時間2008年11月24日,今後主流となる技術分野に関する予測を発表した。「原油価格が下落しているが,エネルギ問題への懸念は消えることがなく,クリーン技術に対する長期的な投資機会が期待できる」との見方を示した。

 同社のクリーン技術戦略および分析担当のSteven Milunovich氏は,約50年ごとに技術革新が起こっていると指摘。「コンピュータ技術が1970年代前半に急成長期を迎えたように,クリーン技術も成長期に差しかかっている」とする考えを示した。同氏は,資源問題に技術を応用することで,エネルギ,公共事業,自動車業界に重大な変化がもたらされるとしている。

 同社は,太陽エネルギ分野において価格性能比の向上が速いペースで進んでおり,同分野がクリーン技術を長期的にけん引すると期待している。また風力利用の分野も有望視しており,ダークホースとしてバイオ燃料や地熱の可能性も指摘している。

 クリーン技術関連の株式は,引き続き現在の厳しい景気の影響を受ける可能性があるが,政府がより環境を考慮した政策を打ち出し,景気が改善すれば2010~2011年にはクリーン分野への長期的な投資機会が訪れるという。

[発表資料]