NHKはこれから制作する番組に関して,テレビ放送とVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスの「NHKオンデマンド」(NOD)の両方で利用することを,権利者との契約に盛り込む方針だ。より多くの番組をNODの見逃し番組視聴サービスで提供しやすくするのが狙いである。

 NHKが12月1日に開始するNODには,番組の放送翌日から1週間程度配信する「見逃し番組」と,過去に放送した番組を配信する「特選ライブラリー」の二つのサービスが含まれる。このうち配信期間が短く権利者の同意を得やすい見逃し番組サービスについて,番組制作時の権利者との契約内容に利用目的として盛り込む方針である。配信期間の長い特選ライブラリーについては番組制作時の契約には含めず,NODの権利処理専門の部署が番組ごとに交渉する。

 またNHKはNODにおける権利交渉について,開始時に特選ライブラリーで配信を予定している1266本の番組のうち,11月19日時点で依然として約200本が権利者から許諾が得られていないことを明らかにした。番組の配信に関しては既に権利者団体と基本合意しており,現在NODの開始に向けて権利者団体を通じて,出演者など権利者一人ひとりから書面による許諾を得る作業を行っている。