液晶モニタ大手のナナオは,ドイツeg-electronic GmbHから産業機器向けモニタの開発・製造・販売事業を買収する(PDF形式の発表資料)。ナナオの100%子会社であるドイツEIZO GmbHが新設する100%子会社を受け皿として,2009年2月28日に,産業用モニタ/航空管制用モニタ/モニタ制御用ボード事業を譲り受ける。買収金額は約600万ユーロになる見込み。買収対象事業の年間売上高は2007年実績で2000万ユーロという。

 ナナオは2007年2月に米Tech Source, Inc.を買収し,航空管制用モニタ市場に参入した。2007年10月にはドイツSiemens AGの医療用モニタ事業を買収(Tech-On!関連記事),産業用モニタの事業拡大を図ってきた。今回買収するeg社の産業用モニタ事業はFA機器や車載機器,広告用途など幅広い分野に向けて展開しているという。ナナオはこうした分野への進出を図るとともに,販売や資材購買などの面で既存事業との相乗効果を期待している。また,医療分野,航空管制分野で以下のような効果を見込んでいる。

 医療用モニタ事業を手掛けるドイツEIZO GmbHとeg社は現在,モニタ制御用ボードを両社で共同開発し,eg社が製造してEIZO社に納入するという事業形態を採っている。今回の買収により,ナナオはドイツ国内にボードからモニタまでの一貫した開発・製造体制が築けるとする。

 また,eg社は航空管制用モニタの製造・販売を手掛けており,欧州の有力な航空管制機器メーカーを顧客に持つ。ナナオは2007年のTech Source社買収に加え,eg社の事業を買収することで,航空管制分野の世界販売体制を強化する考え。

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