JSRは,高輝度発光ダイオード(LED)の発光効率を改善する高屈折率のコート材,およびLEDの信頼性向上に不可欠な新しい封止材を開発した。同社の従来のコート材における屈折率は1.7程度。開発した高屈折率のコート材ではそれが約1.9となる。同社によれば,LEDの発光素子上に同材を塗布することにより,LEDの発光効率が10%以上向上することがユーザー評価で確認されているという。同社は,発光効率の向上によりLEDの長寿命化や省エネルギ化が期待できるとしている。

 一方,新しい封止材は,有機無機ハイブリットの透明樹脂でできたもの。有機無機ハイブリット材料を合成する同社独自の技術を用いることにより,有機材料の長所である柔軟性と無機材料の長所である高い耐熱性や信頼性を持たせたとしている。LED用の封止材としては現在,エポキシ樹脂やシリコーン樹脂が主流だが,前者は耐熱耐光性が不足し,後者はガスバリア性が不足するといった弱点があった。同社は,照明や車載ランプなど高い耐熱性や耐久性が要求される分野での新封止材の適用を期待している。