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五感センサ(5):においの活用は宝の山

伊藤 元昭
2008/12/04 09:00
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前回は,五感のうち触覚に相当するセンサの開発動向を解説した。今回は,電子機器に嗅覚を持たせる技術を取り上げる。においをセンサで検知する手法には,特定の気体の濃度に反応するセンサを複数用いる方法と,人間の嗅覚の機能を模倣するバイオ・センサを用いるアプローチの二つがある。連載の目次はこちら(本記事は,『日経エレクトロニクス』,2008年2月25日号,pp.66-69から転載しました。内容は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)

 生物が嗅覚を持っている意味や,においに隠された情報の意味が徐々に明らかになっている。これと歩調を合わせるように,嗅覚の機能を模したセンサをさまざまな分野で応用しようとする機運が高まっている。

 人間は,意識的に特定のにおいを発することはできない。このため,電子機器のヒューマン・マシン・インタフェースに応用する際,視覚や聴覚,触覚を搭載したときと,嗅覚を搭載したときでは人間と機器の接し方が異なる。人間は機器の視覚や聴覚,触覚を通じて,表情や声,動作によって意識的に機器を操作できる。しかし,においを媒介したヒューマン・マシン・インタフェースでは,人間のありのままの状態を機器に知らせる。機器は人間が発するにおいを通じて情報を得て,何らかの動作をする。例えば,嗅覚センサを搭載することで機器が病気を判定することが可能になる。

二つのアプローチ

 においをセンサで検知するための手法には,大きく二つのアプローチがある(図8)。一つは,ガス・センサなど特定の気体の濃度に反応するセンサを複数用いて,においの原因物質の濃度を測る方法である。もう一つは,人間の嗅覚の機能を模倣するバイオ・センサを用いるアプローチである。前者は既に実用化が始まっており,後者は現在,研究開発の段階である。


図8 センサの感度向上で用途が拡大 嗅覚を検出するセンサの応用が拡大しつつある。背景には,既存の半導体ガス・センサの検出能力の向上と,生物の嗅覚の機構を模倣したバイオ・センサの台頭がある。従来は一酸化炭素など特定ガスの検出が主な用途だったが,今後は麻薬や地雷の探知やにおいに基づく個人認証などにも応用が期待されている。 (画像のクリックで拡大)
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