日本製鋼所は,電力をはじめとするエネルギ分野向けに追加の設備投資を実施することを明らかにした。今回の決定は,重電メーカー各社の増産要請に対応したもの。現在,鉄鋼製品関連事業で総額500億円規模の設備投資を推進中だが,新たに総額300億円程度の設備投資が見込まれる。

 今回の追加設備投資では,製造工程のさらなる効率化と採算性向上を目的に,比較的小型な製品の製造に利用する,鍛錬/熱処理/機械加工の各工程を集約し,新工場を建設する。場所は,同社室蘭製作所(北海道室蘭市)の隣接地を予定。

 一連の設備投資は2011年度後半に完了する計画だ。その時点で,原子力発電向け鍛鋼品の生産能力は2007年度比約3倍に,石油精製用圧力容器向け鍛鋼品の生産能力は同約1.6倍に向上する。ただし,石油精製用圧力容器向け鍛鋼品の設備に関しては市場環境に応じて,その一部を原子力発電向け鍛鋼品の生産に振り向けることも可能という。

 なお,設備投資完了後の売上高および利益の見通しについては,現在策定中の次期中期経営計画で公表する予定。