図1 シャープ 代表取締役 副社長執行役員の松本雅史氏
図1 シャープ 代表取締役 副社長執行役員の松本雅史氏
[画像のクリックで拡大表示]
図2 AQUOSケータイ「SH9010C」を2008年6月に発売
図2 AQUOSケータイ「SH9010C」を2008年6月に発売
[画像のクリックで拡大表示]
図3 スライド式の「SH8010C」を2008年9月に発売
図3 スライド式の「SH8010C」を2008年9月に発売
[画像のクリックで拡大表示]
図4 後継のAQUOSケータイ「SH9020C」を近日中に発売
図4 後継のAQUOSケータイ「SH9020C」を近日中に発売
[画像のクリックで拡大表示]

 「『海外事業の拡大』は,シャープの揺ぎ無い方針だ――」(同社 代表取締役 副社長執行役員の松本雅史氏)。

 シャープは2008年11月19日,都内で開催した2008年度国内秋・冬モデルの記者発表会の中で,携帯電話機事業の海外戦略を説明した。
 
 シャープは現在,2008年度の携帯電話機の販売台数見通しについて,国内970万台,海外200万台としている(Tech-On!関連記事1)。シャープは今後,縮小傾向にある国内市場でシェア1位を維持しながら,海外での販売台数を大幅に高めることを狙う(Tech-On!関連記事2)。「国内シェア目標は30%前後の"ダントツ"を目指す。加えて,海外の販売台数を増やし,最終的には国内/海外の販売台数比率を1対1に持っていきたい」(松本氏)。

 シャープが海外戦略の目玉の1つに据えるのが,中国市場を中心としたアジア/新興市場への進出である。シャープは中国向け製品の第1段として,サイクロイド機構を備えるAQUOSケータイ「SH9010C」を2008年6月に発売した(図2)。4000元以上の高級機のカテゴリではトップクラスの人気を誇るという。「10月27日~11月2日の週の販売台数では,同カテゴリに属する26機種のうち3位だった」(シャープ)。ただし,中国では4000元以上のカテゴリは市場規模が小さく,実際の販売数は数万台ほどとみられる。

 これに加え,スライド型の「SH8010C」を2008年9月に発売したほか(図3),SH9010Cの後継となるAQUOSケータイ「SH9020C」を近日中に発売するという(図4)。同社は今後,中国市場向け事業の拡大のため,液晶テレビ「AQUOS」を納める量販店の販売チャネルを活用することに加え,普及価格帯向け製品の投入を計画しているという。

 シャープは欧米市場では,スマートフォン事業の拡大を図る。国内で同社はウィルコムやイー・モバイル向けにWindows MobileをOSに採用したスマートフォーンを供給している。スマートフォンにWindows Mobile以外のOSを採用する可能性について,松本氏は「OSを固定する気はなく,通信事業者の意向に合わせて選択する。Google社のAndroidも選択肢の一つだ」とコメントした。「我々はZaurusの開発などでLinuxの技術は習得済み。開発効率を悪くしない形で,新しいOSを導入する可能性はある」(同氏)。

この記事を英語で読む