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 米Texas Instruments Inc.(TI社)の「DLP(digital light processing) Pico」チップセットを採用した超小型LEDプロジェクターの国内販売がいよいよ始まる。製品名は「Optoma pocket projector PK101」。台湾Optoma Corp.が手掛け,日本での販売元は,同社の輸入代理店であるオーエスの関連会社ホームシアターが担当する(発表資料)。2008年12月1日からApple Storeで先行販売し,同年12月19日から量販店などを通じて一般販売する予定である。

クリスマス商戦を目前に控え,内蔵電池で駆動する超小型プロジェクターの商品化が相次いでいる。例えば国内では住友スリーエムが同様な超小型品を2008年11月25日から発売する予定だ(Tech-On!関連記事1)。こちらは表示素子にLCOSを採用する。

 一方,今回の製品は,表示デバイス「DMD(digital mirror device)」とその駆動LSIなどを,携帯機器向けに小型化したDLP Picoチップセットを採用する。このチップセットを使った試作品を,台湾Optoma 社の関連会社である米Optoma Technology,Inc.が2008年6月に米国で開催されたAV機器の展示会「Infocomm08」で既に披露している(Tech-On!関連記事2)。今回販売する品種は,この試作品を基にしており,大幅な仕様や外観の変更はないという。

 外形寸法は105mm×51mm×17mmとポケットに入るほど小さく,2次電池を含む重さは120gとiPodシリーズの「iPod touch」並み。光源のLEDの寿命は2万時間とする。動作モードには,「通常」と「省電力」の二つがある。通常モードでは明るさが10lmで,省電力モードでは同5lmほど。消費電力はそれぞれ4.8Wと3.5Wとする。省電力モードの場合,内蔵するLiイオン2次電池だけで連続2時間動作する。フル充電にかかる時間は4時間ほどだという。充電はACアダプター,あるいはmini USBを介して充電する。

 投射する映像のコントラスト比は1000対1。投射距離が0.15mで6インチ,2.63mで66インチ相当の映像を得られる。コンポジット信号を出力できる機器と接続して映像を出力する。接続機器として対象となるのはiPodや携帯電話機,PDAなどである。ただし,コンポジット信号を出力できる機種でも対応機器は限られる。

 今回の製品を第一世代品と位置づけており,販売目標は「1万台」(オーエス)とする。次世代品を来年に投入したいという。