フラッシュ・メモリ大手の米Spansion Inc.は,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.製のフラッシュ・メモリがSpansion社の特許を侵害しているとして,米国際貿易委員会(ITC)と米デラウエア州連邦地裁に提訴した。Spansion社が米国時間の2008年11月17日に明らかにした(発表資料)。

 Spansion社は,携帯型音楽プレーヤや携帯電話機,デジタル・カメラなど,1億台を超える電子機器が同社の特許を侵害するSamsung社製フラッシュ・メモリを搭載しているとして,これらを米国市場から排除するように求めている。また,連邦地裁への訴状では,特許侵害に当たるSamsung社製フラッシュ・メモリの販売差し止め命令と損害額の3倍に相当する賠償額の支払いを求めている。

 ITCへの訴状によれば,特許侵害に当たるSamsung社製品は,米Apple Inc.,台湾ASUSTeK Computer Inc.,米Kingston Technology Co.,カナダResearch In Motion Ltd.(RIM),ソニー,日スウェーデン合弁Sony Ericsson Mobile Communications AB.などの製品にも使われているという。

 Spansion社は,フラッシュ・メモリの世界市場で2007年にSamsung社と東芝に次ぐ25億米ドルの売上高を達成した。特許侵害に当たるSamsung社製品の2003年以降の売上高は300億米ドルを上回ると推計している。