開発者会議で講演するJeff Ravencraft氏
開発者会議で講演するJeff Ravencraft氏
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USB 3.0対応コネクタの例
USB 3.0対応コネクタの例
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 次世代USBの策定を進めていたThe USB 3.0 Promoter Groupは,2008年11月17日,USB 3.0(SuperSpeed USB)の正式仕様を公開したことを明らかにした(PDF形式の発表資料)。USB-IFのホームページから,仕様のダウンロードが可能になった(関連ホームページ)。これにより,送受信ICや対応機器の開発が本格的にスタートする。2008年11月17日から米カリフォルニア州サンノゼで開催中の開発者会議「 SuperSpeed USB Developers Conference 」に合わせて発表した。

「すべてのフラッシュ・デバイスへ」

 USB 3.0は,最大データ伝送速度が5Gビット/秒と高速であり,機器間のコンテンツ伝送を大幅に高速化すると期待されている。新規のパワー・マネージメント手法を採用することで,小型の携帯機器でも高速データ通信を利用できるように工夫しているという。ケーブルやコネクタなど,現行USB 2.0に対する後方互換性を確保することで,広範な利用を目指している。パソコンや周辺機器のほか,携帯電話機など小型の携帯機器への採用を狙っている。開発者会議では,USB-IFの議長であるJeff Ravencraft氏が講演し「既に送受信ICの開発は始まっている。2010年の初頭には,USB 3.0対応の最終製品が市場に登場するだろう。フラッシュ・メモリを利用するすべての機器への搭載を目指す」と,強い期待を述べた。

 The USB 3.0 Promoter Groupは,今回の正式仕様公開を契機に,今後の仕様の管理をUSB-IFに移行することも明らかにした。USB 3.0の互換性テストやロゴ認証などは,USB -IFが担当する。また,これまではUSB 3.0の仕様作りに参加できる企業「Contributor」を募集していたが,今後は「Adopters」と呼ぶ新たな契約形態の企業を募集するという。Adopters契約を結んだ企業は,USB 3.0のIPの利用権利などが付与される。

 開発者会議には,米Intel Corp.や米Microsoft Corp.,米Hewlett-Packard Co.などの主導企業を中心に,約500名の技術者やマーケティング担当者が参加した。会場では,複数のIPコア・ベンダーによる送受信回路の実演や,測定器の展示などに関心が集まっていた。なおUSB-IFは,2009年中に日本でもUSB 3.0に関する開発者向け会議を開催予定という。

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