富士キメラ総研は,記録装置や撮像機器,映像機器向け光学部品の世界市場調査の結果を発表した(発表資料)。

 製品分野別に見ると,2007年に市場規模が最も成長したのは携帯電話機用カメラ。2007年は対前年比22.8%増の9532億円に達した。カメラ付き携帯電話機の世界的な普及に伴って,カメラ・モジュール,イメージ・センサ,光学レンズなどの市場がそれぞれ拡大したという。しかし,2008年は価格下落圧力などによって,市場の成長が鈍化する見通し。2008年の市場規模は対前年比2.9%増の9813億円と予測する。2009年以降も出荷数量は増加するものの,さらなる低価格化の要求を受けて,市場規模は微増にとどまるとみる。2012年の市場規模は,対2008年比12.0%増の1兆992億円の見込みである。

 デジタル・カメラ向けの2007年度の市場規模は,対前年同期比21.2%増の8092億円。コンパクト・デジタル・カメラとデジタル一眼レフ・カメラがいずれも好調で,特に一眼レフ・カメラ向けの交換レンズが市場拡大に大きく貢献したという。交換レンズの市場規模は,2008年に対前年比14.7%増の3231億円,2012年に対2008年比22.3%増の3950億円に達する見通し。デジタル一眼レフ・カメラ自体も2008年は好調を維持するとみる。ただし,コンパクト・デジタル・カメラの需要は先進国向けが一巡し,低価格品の需要が大きいBRICs地域に活路を見出すしかなく,レンズやフィルタ類は価格下落が避けられないとみる。このため,デジタル・カメラ用光学部品全体の市場規模は2008年に対前年比5.3%増の8524億円,2012年に対2008年比7.6%増の9170億円とわずかな伸びにとどまると予測する。

 2007年の光ディスク装置向けは,対前年比5.5%増の8154億円だった。Blu-ray DiscおよびDVD装置用光ピックアップに採用される400nm帯近傍の半導体レーザや2波長レーザ,波長板などが大きく伸びた。2008年以降は,Blu-ray Disc規格の普及が本格化し,Blu-ray Disc用光学部品の市場が急激に拡大するとみる。その一方で,DVDおよびCD向けの市場は縮小するため,市場全体では横ばいと予測する。2008年の光ディスク装置向け光学部品の市場規模は対前年比1.3%増の8256億円,2012年は対2008年比4.4%減の7890億円となる見通し。

 車載カメラ向け光学部品市場は,今後大幅に伸びると予測する。2007年の市場規模は対前年比12.9%増の236億円。これが,2008年には対前年比14.8%増の271億円,2012年は対2008年比274.5%増の1015億円に拡大するとみる。画像認識用の光学レンズといった,付加価値の高い製品の需要が増加する見込みという。車載カメラ用イメージ・センサの市場規模は,2008年に対前年比22.9%増の59億円,2012年には対2008年比266.1%増の216億円に達する見通し。現在はCMOSセンサよりもCCDセンサの需要が大きいが,将来的にはCMOSセンサの需要が拡大する見込みという。