米DisplaySearch社は,年末商戦を控え,携帯電話機向けディスプレイの世界出荷台数が低迷しているとの調査結果を発表した(発表資料)。同社が予測する2008年第4四半期の出荷台数の伸び率は前年同期比で2.5%。前年同期比で28%増加した2007年第4四半期と比べると,伸び率は大幅に落ち込む見通し。2007年第3四半期以降,携帯電話機向けディスプレイの出荷台数は,前年同期比で2ケタ成長を維持してきていたが,2008年第4四半期にこれを維持するのは難しそうだ。ただし,2008年第4四半期の世界売上高は前年同期比で11%増加する見込み。同10%増となった2008年第3四半期に続いて,堅調に推移するとみている。

 携帯電話機向けディスプレイの売上高が伸びるとみるのは,動画やWebサイトの閲覧向けに,より大きく画素数の多いディスプレイの需要が拡大しているため。2008年通年の携帯電話機向けディスプレイの平均寸法は2.05型に達する見込みという。平均画素数は5万6900画素で,動画に最低限必要と考えられているQVGA(320×240画素)には届かないとみる。

 携帯電話機向けメイン・ディスプレイを見ると,2008年通年の世界出荷台数は対前年比15%増の14億6000万台,売上高は同21%増の132億米ドルとなる見通し。米Apple Inc.の「iPhone 3G」やカナダResearch in Motion(RIM)社の「BlackBerry Storm」のような新製品が発売されたにも関わらず,世界的な景気の不透明感によって,携帯電話機の需要は低迷しているとDisplaySearch社は説明する。先進国では買い替えサイクルが長くなっており,中国を含む途上国では,雇用の削減などによって低位機種の需要が減少しているという。