図1 パナソニックモバイルコミュニケーションズが手掛ける2008年冬モデルの3機種。写真は左から「P-02A」「P-01A」「P-03A」(いずれもNTTドコモ向け)
図1 パナソニックモバイルコミュニケーションズが手掛ける2008年冬モデルの3機種。写真は左から「P-02A」「P-01A」「P-03A」(いずれもNTTドコモ向け)
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図2 2008年上期におけるパナソニックモバイルコミュニケーションズの国内シェアは約17%で2位(MM総研調べ)
図2 2008年上期におけるパナソニックモバイルコミュニケーションズの国内シェアは約17%で2位(MM総研調べ)
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図3 今後のケータイは他のAV機器との融合がカギに
図3 今後のケータイは他のAV機器との融合がカギに
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図4 NTTドコモ向けの「P-01A」
図4 NTTドコモ向けの「P-01A」
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図5 キーボード部(縦開き時)
図5 キーボード部(縦開き時)
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図6 キーボード部(横開き時)
図6 キーボード部(横開き時)
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 パナソニック モバイルコミュニケーションズは2008年11月12日,通信事業者各社から発売予定である同社の携帯電話機に関する記者説明会を開催した。同社が2008年冬モデルとして発売するのは,NTTドコモ向けが5機種( Tech-On!の関連記事1 ),KDDIが1機種( Tech-On!の関連記事2 ),ソフトバンクモバイルが1機種( Tech-On!の関連記事3 )である(図1)。これらの端末を武器に,「1日でも早くトップシェアを奪還したい」(同社取締役 商品企画担当の石井 圭介氏)との意気込みを示した。

 MM総研の資料によると,2008年上期の国内シェアは首位がシャープで約23%,2位がパナソニック モバイルコミュニケーションズで約17%だったという(図2)。このため石井氏は,「2008年度中の首位奪還はない。2009~2010年にかけてキャッチ・アップして抜いていく。ただし,(販売台数が飽和している)市場には限界があるため,新しい分野を切り開いていく必要がある」との考えを示した。具体的な販売台数に関しては,「2008年上期の実績は約340万台だった。2008年下期はそれ以上の数量を見込んでいる」(石井氏)と述べるにとどまった。

将来のケータイのキーワードは「モバイルリンク」

 パナソニックモバイルコミュニケーションズは,今後の携帯電話機の方向性として,「モバイルリンク」(同社の石井氏)というキーワードを挙げた。

 具体的な取り組みについては企業秘密としながらも,「ケータイの周辺にはパナソニック製品だけでも,テレビやデジタル・カメラ,カーナビ,パソコンなどのAV機器がある。これらのAV機器と融合して,新しいジャンルの製品を生み出す動きはこれから加速度的に高まっていく。ケータイがテレビ,カメラ,カーナビ,パソコンにより近づく。その間にこれらの製品とは別の市場がきっと生まれる」(石井氏)と力強く語った(図3)。このような新たな製品は,「2010年以降に具現化するために社内で検討中」(石井氏)という。

「P-01A」の開閉機構を披露

 パナソニックモバイルコミュニケーションズが2008年冬モデルの製品紹介で最も時間を割いたのが,「VIERAケータイ」の名を冠する「P-01A」(NTTドコモ向け)である(図4, Tech-On!の関連記事4 )。筐体の開閉機構として,縦方向と横方向に対応する「Wオープンスタイル」を採用するが,縦と横の開閉時でキーボードの表示や配列を変更できるのが特徴だ。

 今回の記者会見に合わせて,パナソニックモバイルコミュニケーションズはキーボード部の構造を披露した。端末の縦方向の開閉時に,キーボードの文字を印字したシートがスライドする仕組みを採用する(図5,図6)。縦開きでは“数字”を,横開きでは“かな文字(あかさたな…)”を優先するなど,開き方に応じて表示文字の大きさを変更しているという。具体的な内部構造は「回答できない」(同社の説明員)としながらも,「2本のバネを用いている」(同)とした。

 開閉方向に応じてキーボードの表示を変更する方法としては,電子ペーパーやタッチ・パネルを搭載した液晶パネルなども考えられる。例えば,NTTドコモとNECは共同で,2007年10月に開催された「CEATEC JAPAN 2007」に,キーボードに電子ペーパーを用いた端末の試作機を披露していた( Tech-On!の関連記事5 )。この点については,「開発初期に電子ペーパーやタッチ・パネル付き液晶パネルも検討した。ボタン操作の使い勝手や端末への厚さの影響などを考慮した上で総合的に今回の方式に決定した」(同社の説明員)という。

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