メモリ・メーカー大手のドイツQimonda AGは2008年11月7日,「米ニューヨーク証券取引所から2008年11月7日に,同証券取引所の上場継続の基準の一つを満たしていないとの通知を受けた」と発表した(発表資料)。同社の米国預託株式(American Depositary Share)の平均終値が,過去30日以上の取引日に渡って,連続して1米ドルを下回ったことが,上場基準を満たしていないとみなされたという。2008年10月31日時点で,同社の米国預託株式の過去30日の取引日における平均終値は0.9米ドルだった。

 ニューヨーク証券取引所の規則によると,Qimonda社は10日以内に同証券取引所に対し,上場基準を再び満たす意向があることを知らせなければならない。Qimonda社は既に同証券取引所に,上場基準を再度満たす意向を伝えたと説明している。また,再度上場基準を満たすためには,連続した30日の取引日におけるQimonda社の米国預託株式の平均終値を,6カ月以内に1米ドル以上に回復させなければならないという。6カ月という期間は,Qimonda社がニューヨーク証券取引所から「上場継続の基準を満たしていない」という通知を正式に書面で受け取った日から数える。

 もし,6カ月後の2009年5月7日までにQimonda社がこの基準を満たせなければ,ニューヨーク証券取引所は取引の停止と上場廃止の手続きを開始する。それまで,Qimonda社の米国預託株式は再評価を前提としてニューヨーク証券取引所で上場が続く。

 Qimonda社は,DRAM市況の悪化を受け,2008年会計年度第3四半期(2008年4~6月)に対前年同期比で売上高を半減させ,3億5900万ユーロの営業損失などを計上していた(Tech-on!の関連記事)。