米VMwareは米国時間2008年11月10日,携帯電話機向け仮想化プラットフォーム「VMware Mobile Virtualization Platform(MVP)」を発表した。この技術により,携帯電話機ベンダーが製品の市場投入までの時間を短縮できるほか,エンドユーザーは1台の携帯電話機を仕事用と個人用に使い分けられるようになるとしている。

 VMware MVPは,携帯電話機に組み込まれるソフトウエア層。VMwareが2008年10月に買収した仏Trango Virtual Processorsの技術を基盤としている。現在,同社は,メモリー量などリソースが限定される携帯電話端末上で効率的に機能するように技術の最適化に取り組んでいる。

 VMware MVPはハードウエアを仮想化するため,携帯電話機ベンダーはハードウエアの違いを気にせずに幅広い携帯電話端末上に同一のソフトウエア・スタックを搭載できるようになる。また,OSからデバイス・ドライバを分離させることにより,端末上のOSに関係なく同じドライバを利用できるようになるため,コスト削減につながるという。

 仮想化技術を携帯電話機に導入することで,複数のOSまたはプロフィールを利用可能となり,企業ユーザーは1台の携帯電話機を仕事用と個人用に使い分けられるようになる。また,携帯電話機に保存したアプリケーションや写真,ビデオ,音楽,電子メール,銀行やクレジット・カード情報といったデータをファイル・セットとして管理可能となり,これらを容易に新しい端末に移行できるようになる。

 米InfoWorldによれば,VMware MVPを搭載する最初の携帯電話機は2010年中に出荷されるという。

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