三菱総合研究所が開発した「事故情報分析報告システム」
三菱総合研究所が開発した「事故情報分析報告システム」
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 三菱総合研究所は,顧客の声や自社製品のトラブル,さらには他社の事故やクレーム情報を分析し,社内で共有する「事故情報分析報告システム」を開発した(図)。同システムは,ハザード(危険性と危険性の要因)分析技術とレコメンデーション検索技術(検索ワードを基に,ユーザーの関心のありそうな情報を選択して表示する検索機能)を組み込んだもの。製品事故の未然防止に役立つ。

 同システムは,「顧客の声やトラブル情報を収集しているものの,どのように活用していいか分からない」「事故情報の報告業務に追われ,再発防止対策の検討まで手が回らない」といった課題に応えるために開発された。具体的には,(1)製品のハザードを分析し,事故/クレーム情報のトレンドを把握する(2)事故の深刻度/対策の難易度のフレームワークを適用し,事故トラブル指数〔Σ(トラブル頻度×トラブルの深刻度×トラブルへの対処法)〕などとしてグラフ化する(3)レコメンデーション検索によって事故/クレーム情報,および検索された事故/クレーム情報に関連する情報(自社の事例や業界の事例,関連規格)を検索/提示する――機能を持つ。事故の未然防止策が見つけやすくなるだけではなく,事故対策の優先度を「見える化」したり,現場から経営層へ自社製品の状況をすぐに伝えたりすることが可能になる。