「電動自転車のように手軽に」,ホンダが体重を支持する歩行アシストで動作デモ
ホンダは,利用者の体重の一部を支え,脚にかかる負担を軽減する「体重支持型歩行アシスト」を試作,動作デモをはじめて披露した(発表資料)(図1)。歩行や階段の昇降,中腰になるなど,脚の筋肉や関節に負担のかかる作業での利用を想定する。「電動アシスト自転車のように手軽に使えるようにしたい」(同社)という。
試作品は主にシートとフレーム,専用の靴で構成する(図2)。利用時は靴を履き,シートを両手で持ち上げて装着すれば,動作準備は完了する。左右それぞれにある計2個のモータによって,靴とシートの間にあるフレームのひざの部分を曲げたり,伸ばしたりして体重の一部を支える。支持する力は常に利用者の重心付近に向かうように設計している(図3)。
さまざまな動作中に利用者の体重の一部を支える。ひざの屈伸に応じて支持する力を調整しており,階段を上ったり,中腰になると支持する力が強まるなど,状況によって支える体重が異なる(図4,5,6)。具体的には,立っている場合は,両足で計3kgほど,しゃがんだ場合は同9〜10kgほどの体重分だけ補助するという。靴に内蔵された複数個の圧力センサなどで支持する力を制御する。さらに圧力センサによって左右のバランスを測定し,左足と右足に向かう力を配分する。例えば,片足で立った状態ならば,支持する力は片足だけになる。
試作品を装着したまま,飛び跳ねたり,走ったりすることはできない。また,利用者の体重すべてをあずけて,シートに座り込むような使い方もできない。安全面では,脚を曲げたとき,ひざ裏部分に指を挟まないようにしたり,過剰な負担がアシスト機にかかった場合は,アシスト機の一部が壊れるようになっている。
適合する身長は設定した身長に対して±5cmである。例えばMサイズの場合で設定身長は約170cmとする。重さは靴とバッテリー・パックを含み6.5kgほど。バッテリー・パックにはLiイオン2次電池を採用しており,アシスト機の太ももの裏部分に複数個搭載している。一回の充電で稼働時間は約2時間とする。
ホンダは実用化や目標価格に関して明言していない。具体的な用途や市場を本格的に探るのもこれから。まずは,産業分野での利用を想定し,2008年11月から同社の埼玉県狭山市にある製作所で従業員が装着し,有効性を検証する予定である(図7)。同社は検証を通じて課題を探り,改善を図っていく考え。作業者の疲労軽減だけでなく,集中力低下の防止も期待できるとする。




















