調査会社の英Canalysは英国時間2008年11月6日,2008年第3四半期(7~9月)のスマートフォン世界市場に関する調査結果を発表した。景気の不透明感にもかかわらず,スマートフォンの出荷台数は前年同期から27.9%増加し,過去最高の3990万台に達した。携帯電話全体で占める割合は13%で,前期比2ポイント増となった。

 ベンダーの首位は,フィンランドのNokiaが維持した。しかし,米AppleやカナダResearch In Motion(RIM)の急浮上により,シェアは前年同期の51.4%から38.9%に縮小した。出荷台数は1550万台で,前年同期の1603万台から3.4%減少した。

 Appleは7月にリリースした「iPhone 3G」の後押しによって,市場シェアを前年同期の3.6%から17.3%に拡大し,2位に食い込んだ。出荷台数は690万台で,前年同期比523%増と急成長した。Canalys上級アナリストのPete Cunningham氏は,「Appleが新製品の発売によって上位に入ることは間違いなかったが,ここまで出荷台数を伸ばしたのは驚異的だ」と述べている。

 3位にはRIMが市場シェア15.2%(出荷台数は610万台)でランクインした。Appleには及ばないものの,前年同期から83.5%伸びており,「Blackberry Bold」の発売遅れなどを考慮すると極めて好調といえる。

 OS別にみると,Symbianが市場シェア46.6%で市場をリード。しかし,日本の大手ベンダーによる出荷台数減少などにより,前年同期の68.1%からシェアを縮小した。2位のApple(市場シェアは17.3%),3位のRIM(同15.2%)に次いで,Microsoftが4位につけた。台湾のHTCや韓国のSamsungといったベンダーの出荷台数がけん引し,市場シェアを前年同期の12.2%から13.6%へと拡大した。

 10月にはT-MobileがAndroid搭載携帯電話「T-Mobile G1」の販売を米国と英国で開始した(関連記事:Androidケータイ「T-Mobile G1」が米国で販売開始)ほか,米MotorolaがSymbianからAndroidへ軸足を移すことを明らかにした。これらによって,2009年はSymbianが首位を維持するものの,シェア獲得を巡り他のOS間で接戦が繰り広げられると,Canalysは予想する。

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