2012年のモバイルデバイス
2012年のモバイルデバイス
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HSPAからLTEへ
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HSPAのネットワークが世界で増加
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HSPA対応機種が805に
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Ericsson社のHSPAの組み込み用モジュール
Ericsson社のHSPAの組み込み用モジュール
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 スウェーデンEricsson社は2008年11月6日,記者説明会を開催し,モバイル・ブロードバンド市場に向けた同社の取り組みについて明らかにした。現在,移動体通信においては,HSPAの後継となる「HSPA evolution」や,最大100Mビット/秒以上と高速な「LTE(long term evolution)」に関心が集まっている。Ericsson社はこのいずれに関しても,組み込みモジュールや基地局装置などの製品を積極的に手掛けていく方針だ。

 その中でEricsson社は,同社が考える将来の携帯端末のコンセプトを,「2012年のモバイル・デバイス」として言及した。それによれば将来の高機能型端末は,1200~2000万画素のカメラを備え,フルHD動画の撮影能力を持つようになるという。「将来のデジタル・カメラや,ビデオ・カメラの機能を,端末に組み込んでしまうイメージである」(スウェーデンEricsson AB,Director Portfolio Management, Product and Portfolio ManagementのJonas Lundstedt氏)。ディスプレイはXGAに対応し,アプリケーション・プロセサの動作周波数は1GHzに達するとみる。もちろん,通信機能としては,100Mビット/秒以上のLTEに対応するとみている。

 Ericsson社はこうした将来の携帯端末への移行は,じわじわと少しずつ進んでいくと想定する。現在は最大7.2Mビット/秒のHSPAが登場しており,既に世界で59の商用ネットワークが稼動しているとする(そのうちEricsson社のシステムを使うネットワークは38とした)。同社によれば,これまでに129社のメーカーから,805種類のHSPA対応端末が発売されているという。

 2008年末以降には,拡張版HSPAの「HSPA evolution」が登場し,最大データ伝送速度は21Mビット/秒まで高まる見込みだ。「最大384kビット/秒のW-CDMAが登場したのは2002年ころ。それから6年で,伝送容量は60倍に高まることになる」(Ericsson社のLundstedt氏)。一方でLTEの導入に関しては,地域によって差があるとの認識を示した。日本のように早期の移行が予定されている地域と,しばらくHSPAやHSPA evolutionなどが主流となる地域があるという。

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