OKI(沖電気工業)の2008年度第2四半期(7月~9月)決算は減収減益だった(PDF形式の発表資料)。売上高が前年同期比12.2%減の1616億3000万円。営業損失は40億4800万円,純損失は131億3100万円でいずれも前年同期から赤字幅が拡大した。上期(4月~9月)累計でも売上高は前年同期比12.4%減の2868億8200万円,営業損失は前年同期から35億円拡大して105億7500万円となっている。

 赤字は大半が半導体事業で計上したもの。第2四半期の半導体事業の売上高は前年同期比20.1%減の304億7200万円と落ち込んだ。営業損益も,前年同期は2600万円の黒字を確保していたが,当期は32億7300万円の赤字となった。不振の理由としてOKIは,ドライバICが液晶パネル・メーカーの半導体内製化の影響を受けたこと,P2ROMの新製品開発が遅れたことなどを挙げる。なお,OKIは2008年10月1日に半導体事業を分社化し,その株式の95%をロームに譲渡している(Tech-On!関連記事)。

 金融システムやネットワーク関連機器などを扱う主力部門の情報通信システム事業は,減収ながら赤字幅を縮小した。第2四半期の売上高は前年同期比12.3%減の812億5700万円,営業損失は前年同期の6割ほどに縮減して14億2300万円となった。郵政民営化に関連する需要が一巡したため売り上げは減ったものの,調達コストや固定費の削減などで赤字幅を小さくしたという。

 プリンタ事業は減収ながら増益。第2四半期の売上高は前年同期比4.4%減の455億100万円,営業利益は同69.4%増の28億4700万円で,OKIの事業では唯一,黒字を出した。ハードウエアは欧米の需要停滞の影響を受けたが,消耗品が伸びたという。

 通期(2008年4月~2009年3月)の業績予想は2008年10月末に下方修正した通り。売上高は当初予測から440億円引き下げて5850億円(前年度比18.7%減),営業利益は40億円引き下げて30億円(同35.5%減)としている。特別損失に,約300人の人員削減(発表資料)に伴う退職金40億円を織り込む。