図◎撮像部の概観(東芝レビュー2008年8月号)
図◎撮像部の概観(東芝レビュー2008年8月号)
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 東芝は、昼間、夜間、晴天、雨天など周囲の環境が変わっても、高い認識率を維持できるナンバープレート認識装置を開発した(図)。屋外で撮像された画像データを使った評価では認識率98%を達成している。同社は安定した認識を実現するため、今回、ナンバープレートの輝度情報を元に撮像条件を制御する方式や、ナンバープレートの領域を推定した後で文字を認識する方式などを開発した。

 ETC(Electric Toll Collection System)の利用車両の増加に伴い、不正に通行する車両も増加しつつある。高速道路各社によると、2007年度の不正通行件数は86万件にも達する。こうした不正通行を防ぐため、ナンバープレートを正確に認識する必要性が高まっている。

 これまでにも、周辺照度を元に制御する撮像制御方式や、カメラから入力される平均輝度を用いるオートアイリス方式などカメラの設定パラメータを調整する技術はあった。しかし、ナンバープレートの撮像に最適な条件が、周囲の照度や入力画像の平均輝度と必ずしも連動しない場合があり、認識率の低下を招いていた。また、認識方式でも、ナンバープレートを斜め方向から撮像するため、カメラの焦点距離の違いによる解像度のバラツキ、影の影響による撮像条件の悪化などによる認識率の低下があった。今回東芝は、従来のこうした課題を解決するため、撮像制御方式と認識方式のそれぞれに新たな技術を開発した。

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