2008年第2四半期の連結決算を発表する近藤広一代表取締役副社長
2008年第2四半期の連結決算を発表する近藤広一代表取締役副社長 (画像のクリックで拡大)

 ホンダは2008年10月28日,2008年度第2四半期(7月~9月期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比4.9%減の2兆8268億円,営業利益は同48%減の1488億円だった。

 二輪車の販売台数は好調だったものの,急激な為替変動の影響と欧米での自動車(四輪車)の販売台数が大きく減少した。為替換算差を除いて売上高を前年同期と比べた場合,二輪事業で399億円,金融サービス事業で389億円,汎用事業やその他の事業で13億円の増加があったものの,自動車(四輪車)事業で311億円の減少があったとしている。実際にはこれに加えて,為替換算の影響により売上高は1937億円減少している。

 同社の世界での自動車(四輪車)販売台数は,前年同期比0.2%減の93万5000台だった。同事業の売上高は同7.9%減の2兆1706億円となった。営業利益は同62.9%減の790億円と大きく減少した。

 地域別の販売台数で最も落ち込んだのが北米である。北米は前年同期比で4万4000台少ない40万1000台だった。米国市場は2008年10月に入っても「大型車だけでなく,通常の乗用車も販売台数が落ち込んでいる」(ホンダ副社長の近藤広一氏)とするように景気減退が続いている。同じく欧州も英国とフランス,イタリア,スペインなどで販売台数が減少し,前年同期比で1万3000万台少ない8万7000台だった。

 一方,他の地域では前年同期に比べて販売台数が増加した。国内は「フィット」や「フリード」が好調で,前年同期比9000台増となる15万2000台となった。アジアは中国向けが堅調に推移したほか,インドネシアやタイなどで「Jazz(日本名:フィット)」の販売台数が増加し,2万7000台増となる20万4000台だった。その他の地域では,ブラジルやロシアでの販売が好調で,同1万9000台増となる9万1000台となった。

 ホンダは急激な為替変動の影響と世界的な景気減退を受け,2008年度通期での連結業績の見通しを変更した。売上高を11兆6000億円,営業利益を5500億円と,2008年7月25日に発表した見通しから売上高を5300億円,営業利益を800億円減少させている。同社では下期の為替相場を1米ドル100円,1ユーロ135円で想定している。

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