まだ公開が滞っているAndroid本体とは逆に,一通りの情報が公開されているのがアプリケーション・プログラムの開発に関する情報である。アプリケーション・ソフトウエアの多さがプラットフォームの強さにつながるとGoogle社が考えた結果とみられる。実際,開発コンテストなどを開催しているのも同じ理由からだろう。
4種類の実装形態
Androidのアプリケーション・プログラムには,「Activity」「Service」「Content Provider」「Intent Receiver」という四つの実装形態がある。ユーザー・インタフェース(UI)を持つAndroidのアプリケーション・プログラムはActivityとして実装する。ServiceはUIを持たず,連続的に情報を提供し続けるプログラムである。SDKでは,例えばプレイリストに基づいて複数の楽曲を連続的に再生するものをServiceとして実装すると説明している。Content Providerはデータベースなど,特定の条件下においてデータを提供するものである。Intent Receiverは外部のイベントに対して何らかの反応を返す際に使う。例えば電話が着信したときに何らかの処理をするプログラムはIntent Receiverとして実装する。ただしUIを表示できないので,ユーザーへの提示は別途Activityを呼び出すなどの工夫が必要となる。
基本はActivity
アプリケーション・プログラムを普通に作る場合は,Activityを使うことになる。個々のActivityはActivityクラスの子クラスとして実装する。実行時には,アプリケーション・フレームワークがライフサイクル・モデルに基づいてActivityを呼び出す(図8)。この形で実装することにより,アプリケーション・プログラムをOSが統一的に取り扱えるようにしている。