米SanDisk Corp.は2008年第3四半期(2008年7~9月)の決算結果を発表した(発表資料)。売上高は対前年同期比21%減の8億2150万米ドル。営業損益と純損益はともに赤字に転落し,営業損失が2億5019万米ドル,純損失が1億5519万米ドルとなった。

 同社のChairman兼CEOであるEli Harari氏は,「余剰在庫を抱えたことが,厳しい価格下落圧力と1億900万米ドルの在庫関連費用の損失につながった。しかし,財務状況の改善に向けて,東芝とのNANDフラッシュ・メモリ製造合弁会社の生産設備の一部売却や,2009年の工場への設備投資の大幅削減,経費削減などの措置を採る予定だ」とコメントを寄せた。「フラッシュ・メモリの生産能力を縮小する業界全体の動きは,今後の市況回復の種をまく行為と考えている」(Harari氏)と説明する。

 同社は2008年10月20日,東芝とNANDフラッシュ・メモリを共同生産する四日市工場の製造設備の一部を東芝に売却すると発表した(Tech-On!の関連記事)。具体的には第3,第4製造棟の設備の一部を売却する。この結果,SanDisk社はバランス・シートの強化や供給能力の調整が図れるとしている。

 売上高の内訳を見ると,製品の売上高は対前年同期比25%減の6億8956万米ドル,ライセンス料およびロイヤリティによる収入は同11%増の1億3194万米ドルだった。2008年第3四半期に販売した製品の総容量(Mバイト換算)は前年同期比で105%増,直前期比で44%増となった。1Mバイト当たりの平均販売価格は,前年同期比で63%の減少,直前期比で30%の減少だった。

加納 征子=日経エレクトロニクス



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