半導体大手のオランダNXP Semiconductors社の2008年7月~9月期決算は,売上規模を赤字幅が上回る結果となった(発表資料)。売上高は前年同期比16%減の13億7400万米ドル,営業損失は19億3700万米ドル,純損失は25億4700万米ドルである。減損処理やのれん代の償却などが営業損益に対して7億600万米ドルのマイナス要因になっている。

 減収は主に,無線関連事業を伊仏合弁STMicroelectronics社との合弁会社に移管したことによるが(Tech-On!関連記事1),そのほかの事業も減速している。同社President and CEOのFrans van Houten氏は「世界経済の悪化に伴う半導体市況の低迷で,7月~9月期の終わり頃から急速に需要が縮小した。特に自動車向け,民生機器向けで大きな影響を受けた」と説明する。欧米の自動車メーカーの生産調整を受け,自動車向けの売上高は前年同期比4.8%減,前期比7.2%減と振るわなかった。

 今後は,2008年9月12日に発表の通り(Tech-On!関連記事2),世界で4工場を閉鎖するなど,コスト削減に努め,厳しい市場環境に対応していくとする。しかし,2008年10月~12月期の売上高は7月~9月期比で8~12%の減収を見込む。