Tech-On!は無料登録制の技術情報サイトです。ぜひ会員登録してこの記事の全文をお読みください。 Tech-On!無料登録の説明ページ初めてご利用の方:無料会員登録へ登録に関するご質問登録に関するご質問学生の方:無料会員登録へログイン・ページに進むIDやパスワードをお忘れの方は…Cookieが使えない状態になっていませんか?

オランダASMLがステージを一新,重ね合わせ精度2nm,スループットを従来比30%向上

記事にコメントする
コメントを読む
ソーシャルブックマークに追加する
この記事にタグを付ける
記事のタイトルとURLを入れたメールを作って,知人に紹介する
後からこの記事を見られるように保存する
印刷用ページ
2008/10/18 04:13
加藤 伸一=日経マイクロデバイス
図1●従来の「TWINSCAN XT」。ブリッジ状の駆動機構が今回の「TWINSCAN NXT」では不要になった。ASMLのデータ。
図1●従来の「TWINSCAN XT」。ブリッジ状の駆動機構が今回の「TWINSCAN NXT」では不要になった。ASMLのデータ。
[クリックすると拡大した画像が開きます]
図2●ウエーハ駆動用ステージの移動時間を短縮。ASMLのデータ。
図2●ウエーハ駆動用ステージの移動時間を短縮。ASMLのデータ。
[クリックすると拡大した画像が開きます]
図3●反射光が受光部に届くまでの距離が従来の最大300mmから15mm以下に短縮。ASMLのデータ。
図3●反射光が受光部に届くまでの距離が従来の最大300mmから15mm以下に短縮。ASMLのデータ。
[クリックすると拡大した画像が開きます]

 オランダASML社が,露光装置用のステージ技術を一新し,露光装置の新たなプラットフォーム「TWINSCAN NXT」として発表した(発表資料)。変更した目的は二つある。スループットの向上と,32nm世代以降の露光技術として有力視されているダブル・パターニングで必要な重ね合わせ精度2nmを実現するためである。受注済みの液浸露光装置からTWINSCAN NXTに変更し,ダブル・パターニング,EUV(extreme ultraviolet)露光装置まで採用する予定である。EUV露光装置向けで,真空環境下で使用できることが採用の決め手の一つになったようである。

 主な変更点は,ウエーハ駆動用ステージの駆動方法と位置検出方法,ステージの材料である。レチクル駆動用のステージは現状の技術を継続して使用する。

 スループットの向上は,ステージの駆動方法の変更と,ステージの材料の変更によって移動に要する時間を短縮したことで実現した。ステージの駆動方式は,これまでのモーター駆動+空気浮上方式から,磁気浮上方式に変更した。同社が公開したデモの動画では,磁気浮上方式を採用したことで,これまで必要だったブリッジ状の駆動機構(図1)がなくなっている。また,ステージの材料を従来のステンレスなどから,炭素繊維に変更した。これによって,ステージの浮上部の重量や寸法を小型化したことで,ステージが移動する際の加速度が向上した(図2)。同社の公表では,スループットが従来の同社の露光装置に比べて30%向上した。具体的なステージ移動速度は非公表としている。

 一方,重ね合わせ精度の向上は,位置合わせに必要なレーザー光が受光部に届くまでの距離を短縮し,外乱要因の影響を受けにくくしたことで実現した。今回のウエーハ駆動用ステージの移動分解能は0.5nmとしている。重ね合わせ精度は,従来の4nmから2nm以下に向上した。今回のTWINSCAN NXTでは,位置を計測する方法として,ステージに対して垂直方向にレーザー光を照射する方法を採用した。これによって,ステージからの反射光が受光部に届くまでの距離が従来の最大300mmから15mm以下に短縮した(図3)。
 
 露光装置では,ステージの位置を測定する技術として,反射したレーザー光の干渉の差によって,基準となる位置と現在の位置の差を検出する方法が採られている。ASMLでは,従来はステージの側面に設けたミラーにレーザー光を照射し,反射光の干渉の差を利用してステージの位置を検出する方法を採用してきた(図1)。従来の方法では,外乱の影響を受けやすい課題があった。例えば,空気中に存在する物質の屈折率の差,温度や湿度,ステージの微妙な傾きによって計測結果の誤差が生じてしまう。

とても参考になった 4
まあ参考になった 1
ならなかった 0
 投票総数:5
記事中に誤りなど,編集部へのご連絡にはこちらの入力画面をお使いください。編集部へのご連絡