フラッシュ・メモリ専業メーカーの米Spansion Inc.は2008年9月28日締めの四半期決算を発表した(発表資料)。売上高は前年同期比3%増の6億3090万米ドルと伸びたが,赤字は膨らんだ。営業損失が前年同期より2660万米ドルほど多い8570万米ドル,純損失は4710万米ドルほど多い1億1870万米ドルである。フラッシュ・メモリのビット当たりの平均販売単価は直前の四半期から10%下落したという。

 北米や欧州,韓国の携帯電話機向け市場でシェアを拡大したことで,全社の売り上げは伸長した。一方,日本の携帯電話機市場が停滞した影響や一部顧客による試験の遅れなどで300mmウエハー対応工場「SP1」の売り上げは予想を下回ったとする。SP1がフル稼働するのは2009年に入ってからになるという。

ファウンドリーと手を組み,投資は抑制

 Spansion社は2008年10月~12月期の業績見通しを,売上高が7月~9月期に比べて微減,粗利益率は7月~9月期の14%と同等かやや上昇とした。販売管理費と研究開発費は,合計で7月~9月期より1000万米ドル縮小する計画。2008年通期の設備投資は,従来予測の5億米ドルに対し,4億3500万米ドルになる見込みという。2008年10月~12月期から2009年中ごろまでは,四半期当たりの設備投資を4000万米ドルに抑える考え。これは既存設備を保守するレベルの投資だという。

 なお,Spansion社は決算発表と同日,製造コストの削減を目指し,ファウンドリー大手の台湾Advanced Semiconductor Engineering Inc.(ASE)と合弁会社を設立すると発表した(Tech-On!関連記事)。