ベルギーの研究機関IMECは,低消費電力で動的再構成可能な(dynamic reconfigurable)プロセサ技術のライセンスを東芝に供与したと発表した(発表資料)。今回のライセンス契約には,IMECの開発した動的再構成可能なプロセサ向けのテンプレート「ADRES (Architecture for Dynamically Reconfigurable Embedded Systems) 」やコンパイラ「DRESC」,マルチプロセサ・コア向けアプリケーション・ソフトウエア開発ツール・セット「MPSoC」が含まれる。

 ADRESは,シングル・プロセサおよびマルチプロセサ・アーキテクチャの無線システムやマルチメディア処理システムに向けたプロセサ・アーキテクチャ。ADRESを採用したプロセサは,将来の携帯端末などの用途を想定しており,低消費電力で高性能,そして回路を動的に再構成できるという。

 ADRESをベースにして,ユーザーは特定のアプリケーションに最適なプロセサが開発できる。このプロセサのアプリケーション・ソフトウエアはC言語で開発が可能で,そのための開発ツールがMPSoC。コンパイラがDRESCである。

 東芝のTohru Furuyama氏(General Manager of Center for Semiconductor Research & Development)は,「IMECが持つ動的に再構成できるプロセサ技術は,無線通信用ベースバンドSoCの開発において,設計時間や柔軟性,実装面積といった点で利益をもたらすと確信している」とコメントを寄せている。

 さらに,IMECは,今後,1秒当たりGビットの復調が可能なプロセサおよびツールを東芝と共同で開発することを明らかにした。