DVR(digital video recorder)を販売する米TiVo Inc.は,米EchoStar Communications Corp.と特許侵害を巡って争っていた係争に関して,EchoStar社から2008年10月8日に1億460万472米ドルの和解金を受け取ったと発表した。TiVo社によれば,この和解金には米連邦地方裁判所がEchoStar社に支払いを命じた7400万米ドルの損害賠償も含まれるという。

 この係争は,TiVo社が2004年に,同社の「Time Warp」特許を侵害されたとして,EchoStar社を提訴したことに始まる(関連記事)。Time Warp特許は,1つの番組を録画すると同時に別の録画番組を再生する技術などに関する特許。米テキサス州東部地区の連邦地方裁判所は2006年に,Time Warp特許の有効性を認定し,EchoStar社がTiVo社の特許を侵害したと判断した(関連記事2

 2008年4月には米ワシントンD.C.の連邦巡回控訴裁判所が,連邦地方裁判所の判断を支持し,EchoStar社による特許侵害を認める判決を下した。その後,EchoStar社はこれを不服として米最高裁判所に上訴していたが,最高裁判所はこの不服申し立てを退けている(関連記事3)。今回の和解金支払いは,上訴却下を受けてのものとみられる。