図1 ウィルコムらが出展した「どこでもWi-Fi」の試作機(モックアップ)
図1 ウィルコムらが出展した「どこでもWi-Fi」の試作機(モックアップ)
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 ウィルコム,バッファロー,三洋電機の3社は「東京ゲームショウ2008」(2008年10月9~12日)に,持ち運べる無線LANアクセス・ポイント「どこでもWi-Fi」を出展した(図1Tech-On!の関連記事)。

 どこでもWi-Fiの企画の背景には,ウィルコムのスマートフォン「W-ZERO3」などを持ち運び可能な無線LANアクセス・ポイントとして利用しているユーザーがいたことがあるという。「ニンテンドーDSやプレイステーション・ポータブル(PSP),iPod Touchなど,無線LAN機能を備える機器が広く普及した。外出先でそれらの機器からインターネットにアクセスするために,W-ZERO3やパソコンを無線LANのアクセス・ポイントとして利用しているユーザーが多くいると聞いた。しかし,そうした利用形態は,それなりのITリテラシーを求めることになる。外出先での無線LAN機能を使ったインターネットへのアクセスを,幅広い層のユーザーが簡単に,それも小型の機器で実現できるようにしたいと考えた」(ウィルコム)という。

 3社の主な役割分担は,製品企画がウィルコム,2次電池の供給が三洋電機,機器の開発がバッファローであるという。ウィルコムが開発をバッファローに委託したのは,「無線LAN接続では通常,ESSIDとセキュリティ・キーを入力しなければならない。それを不要にする『AOSS』技術を持っていることが決め手だった」(ウィルコム)という。AOSSを利用することにより,端末側でAOSS接続を選んで,どこでもWi-Fiのボタンを押すと,接続が確立される。また三洋電機の「eneloop」の採用を決めたのは,「繰り返し充電して使えるだけでなく,コンビニなどで充電済みの電池を容易に購入できる」(同)ことにあったという。

 今回出展したのはモックアップである。「電波の干渉などを考慮して注意深く設計する必要がある」(バッファロー)としており,2009年春の発売を予定している。「どこでもWi-Fiの価格は決まっていないが,携帯型ゲーム機の主要なユーザーである若年層でも入手できる価格設定にしたいと考えている。そうしたユーザーからの意見を聞くために今回のゲームショウに出展した」(ウィルコム)。