プレイステーション3(2006年11月発売,4万9980円)

 ソニー・グループと東芝,IBMが共同開発した「Cell」をCPUとして搭載する。CellはPowerPCアーキテクチャの汎用コアと,SPEと呼ばれるコアを8個組み合わせるマルチコア構成のCPUである。プレイステーション3の登場は,今日当たり前になりつつある民生用機器へのマルチコアCPU搭載の先駆けになった。主記憶は512MビットのXDR DRAMを4個(合計256Mバイト)。

 GPU「RSX(Reality Synthesizer)」はパソコン向けGPUの開発で実績のある米NVIDIA社とソニー・コンピュータエンタテインメントが共同開発した。NVIDIA社の「GeForce 7800 GTX」をベースに改良した。RSXはLSI内にVRAMとして使う512MビットのGDDR3 SDRAMを4個(合計256Mバイト)を配置した構成になっている。

 プレイステーション 3の内部構成を見ると,技術者が熱対策に苦心した様子が見て取れる。展示した初期モデルでは巨大なヒートシンクとファンを使って,CellやRSXなどを冷却している。また,比較的新しいノイズ対策部品であるNECトーキンの「プロードライザ」をCPUやGPU周りのノイズ対策に採用している。

 展示した初期モデルはこのほか,プレイステーション 2との互換性を確保するために,プレイステーション 2のCPU「Emotion Engine」とGPU「Graphics Synthesizer」を一つにまとめた「EE+GS」と,それ向けのDirect RDRAMを実装している。この互換機能は現在販売中のプレイステーション 3からは省かれている。

「プレイステーション3」の基板
「プレイステーション3」の基板 (画像のクリックで拡大)

「プレイステーション 3報道特設サイト」に分解に関するさらに詳しい解説があります。