ニンテンドーゲームキューブ(2001年9月発売,2万5000円)

 NINTENDO64の反省を踏まえ,「開発者が思ったことを素直に表現できるゲーム機」を目指した。開発名は「Dolphin」。

 CPUは米IBM社の「PowerPC 750」を基にした「Gekko」。描画機能を担うLSI「Flipper」は,NINTENDO64の開発に関わった元SGI社の技術者が設立した米ArtX社(開発中にカナダATI社が買収)およびNECと共同開発した。主記憶とグラフィックス・メモリ(Flipperに混載)として米MoSys社が開発した疑似SRAMの「1T-SRAM」を採用している。なお,Gekkoの基となったPowerPC 750は当時,米Apple Computer社のパソコン「Macintosh」などに採用されていた。(関連記事

 また,任天堂としては初めて,8cmDVDを基にした光ディスクをソフトウエア供給媒体とし,ドライブを松下電器産業(現パナソニック)と共同開発した。こうしたハードウエアの構成はほとんどそのまま,現在の「Wii」に引き継がれている。なお,松下電器は後に,ゲームキューブ互換でDVD再生機能を持つ互換機「Q」を発売した。

「ニンテンドーゲームキューブ」の基板
「ニンテンドーゲームキューブ」の基板 (画像のクリックで拡大)