その一方で印象的だったのは,DDRメモリが見えなくなっていることです。前機種までは,基板上に大きなDDRメモリが実装されていました。マイクロコントローラなどのSoCと同パッケージに組み込んだ可能性もあります。Apple社は,比較的パッケージ技術で工夫することを好みますので。

 メモリに関しては,韓国Samsung社製のメモリが基板上に見えなかったのも意外でした。複数メーカーからの購買のため,たまたま分解した端末が使っていなかっただけかもしれませんが,業界ではSamsung社とApple社の関係が少し微妙になっているという話があります。Samsung社が,「iPhone 3G」の発売にあわせて,対抗機となるスマートフォン「OMNIA」を出してきたことから,関係が悪化しているという見方です。あくまで推論の域を出ませんが。

——従来と異なる部品の利用も見られるのでしょうか。

A氏 SoCは前機種同様にSamsung社のカスタムICを使っています。ホイールのコントローラは米Cypress社製(PSoC CY8C2143424LCX1)です。このあたりは前世代と共通で,定番という感じがします。


メイン基板の詳細(クリックで写真が拡大します)

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