調査会社のIDC Japanは,国内における低価格ノート・パソコンの購入意向調査の結果を発表した(発表資料)。対象となったのは一般消費者。台湾ASUSTeK Computer Inc.などの外資系パソコン・メーカーが低価格ノート・パソコンを販売し,市場での認知が高まってきたことから2008年6月に調査した。

 それによると,低価格ノート・パソコンを「半年~1年以内に購入したい」と答えた人の割合は,全体の7%。一方,「希望の価格や仕様の製品が出れば購入したい」と回答した人は47.8%だった。このことから,低価格ノート・パソコンの価格や性能がユーザーの望む使い方に合致すれば,二つの回答をあわせた54.8%の人は購入する可能性が高いとIDC Japanは説明する。

 用途としては,屋外でのインターネット閲覧,メール,文書作成などを考えている人が多いという。また,購入を検討する回答者の75%は,低価格ノート・パソコンを家庭における2台目のパソコンと位置付けており,家庭向け市場の拡大の可能性は十分とIDC Japanは分析する。

 低価格ノート・パソコンを購入する際に,比較検討する対象をたずねたところ,最も多いのは同じカテゴリーの他社商品だった。次いで多いのはノート・パソコン。スマートフォンや携帯電話機と比較する人は少なかった。これらの背景にあるのはユーザーがパソコンによるインターネット閲覧やメールの送受信と,携帯電話機での用途を使い分けていることという。「ユーザーは低価格ノート・パソコンを既存のパソコンの用途の延長線上にある製品と位置づけ,低価格なパソコンであってもマイクロプロセサの速度やメモリの容量,HDD容量では妥協しない」とIDC Japanはみる。このため,一般消費者は低価格ノート・パソコンに興味はあるものの,性能や仕様の面でまだ様子をうかがっている状況にあると分析した。

低価格ノート・パソコンを購入する際の比較検討対象
低価格ノート・パソコンを購入する際の比較検討対象
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