米RealNetworks,Inc.は,DVDに格納したコンテンツをパソコンにコピーするためのソフトウエア製品「RealDVD」を発売した(発表資料Tech-On!関連記事)。RealDVDは,DVDレコーダーからDVDのイメージをそのまま,パソコンが搭載するHDDなどに保存できる。同社は,独自のDRM技術などを利用していることから,RealDVDの販売は法的に問題ないと主張している。

 RealDVDに関してはここへきて,同ソフトウエアに関連する2つの訴訟があることが明らかになっている。まずRealNetworks社自身が,米カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所において,米DVD Copy Control Association, Inc.(DVD CCA社)や米Disney Enterprises, Inc.,米Sony Pictures Entertainment, Inc.を含む7つのハリウッドのコンテンツ企業を訴えた(発表資料)。RealNetworks社の主張によれば,これらコンテンツ関連企業が,RealNetworks社に対して脅迫的な行為に及んでいるという。RealNetworks社は自社の正当性を訴えるために,こうした法的措置に出たとしている。

 一方で,業界団体である米Motion Picture Association of America, Inc.(MPAA)が,米ロサンゼルス市地区連邦地方裁判所において,RealDVDのソフトウエア販売を差し止める訴訟を起こしていることも明らかになった(PDF形式発表資料)。MPAAは,RealDVDを利用するユーザーが,不正コピー防止技術「CSS」を回避させることができるため,問題があると主張している。加えてMPAAは,RealDVDは,CSSの回避という行為によって,米著作権法DMCA(Digital Millennium Copyright Act)に違反していると主張している。