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【CEATEC】ディスプレイから始まるライフスタイル革命(2)

2008/10/02 22:12
田中 直樹=Tech-On!
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写真1 「8K4K」プロジェクタの映像(日本ビクター)
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写真2 透明な壁に映像を表示(住友スリーエム)
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写真3 太陽電池からの電力だけで使える液晶テレビ(シャープ)
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写真4 世界の名画をテレビで楽しむ「ピクチャーモード」(シャープ)
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写真5 「デジタル・サイネージ・ソリューション」ゾーン(三菱電機)
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写真6 強誘電性液晶による電子棚札(シチズンセイミツ)
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写真7 インジケータやラベルを電子ペーパーに置き換える(日立製作所)
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写真8 「空中ディスプレイ」(東北大学)
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写真9 省エネ化を図った液晶テレビの新製品(ソニー)
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写真10 1年後の製品化を目指す低電力液晶テレビ(東芝)
写真10 1年後の製品化を目指す低電力液晶テレビ(東芝)
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 放送の枠を超えた“リアリティの追求”。われわれの生活環境にさりげなく溶け込ませる“アンビエント”。身の回りに増え続けても環境に負担をかけない“グリーン”。このようなディスプレイの新ビジョンの実現技術が「CEATEC JAPAN 2008」では目白押しとなった(写真1〜写真3)。

 リアリティの追求では,東芝や日立製作所が披露した超解像技術が注目を集めた(Tech-On!関連記事1Tech-On!関連記事2Tech-On!関連記事3)。SD(standard definition)やDVDの映像をフルHD級の映像に変換する技術である。この技術の延長上には,普及が進んでいるフルHDの映像を「4K2K」や「8K4K」に変換し,放送の枠を超えた超高精細対応のディスプレイに臨場感豊かな映像を映し出すという方向が見える。日本ビクターがプロジェクタを使ってデモしていた「4K2K」や「8K4K」のリアリティ感あふれる映像(写真1,Tech-On!関連記事4)を,家庭で楽しめるようになる日が近づいてきたといえそうだ。

 放送の枠を超えるのは,解像度だけにとどまらない。色についても,放送規格を超えたディスプレイが今回のCEATECに続出した。例えば,LEDバックライトを使ってNTSC規格を大幅に上回る色域にした液晶テレビである。シャープやソニー,日本ビクターなどが展示した(Tech-On!関連記事5Tech-On!関連記事6)。また,米国で今秋発売するレーザー光源を使ったリア・プロジェクション・テレビを三菱電機が披露,デモ・ルームの前には長蛇の列が出来ていた。

 放送のほとんどを占める2D(2次元)映像を超えて,3D(3次元)映像を見られるようにした“立体ディスプレイ”の展示も,今回のCEATECでは目白押しとなった。中でも,整理券がすぐに配布完了ほど人気を集めていたのが,パナソニックの「3D フルHDプラズマ・シアターシステム」である。右目用と左目用の画像を交互に出力するため,ディスプレイの全画素を半分ずつ左目用と右目用に使い分ける必要がない。従って,空間解像度の劣化のないフルHDの3D映像を楽しむことができる(Tech-On!関連記事7)。既存の映像コンテンツを手軽に3D表示できる「リアルタイム2D/3D変換技術」を出展して注目を集めたのが日本ビクターだ(Tech-On!関連記事8)。技術開発はほぼ完了しており,需要があればいつでも実用化可能だという。同社はまた,情報通信研究機構(NICT)と共同で,裸眼で見ることができる72型の3Dディスプレイを披露した(Tech-On!関連記事9)。パイオニアは,受注生産を開始したばかりの「3Dフローティングビジョン」を展示した(Tech-On!関連記事10)。ゲーム機やキオスク端末,デジタル・サイネージ用途での引き合いが活発だという。このほか,NEC液晶テクノロジーや東芝松下ディスプレイテクノロジーが,3D表示可能な液晶パネルを出展していた(Tech-On!関連記事11)。

家,街,オフィスの中に溶け込ませる

 ディスプレイを生活環境にさりげなく溶け込ませる“アンビエント”関連の展示も,今回のCEATECでは目に付いた。家の中に溶け込む新しいディスプレイを提案したのが,シャープや東芝である。シャープは,世界の名画の画像を薄型テレビに組み込んで,家の壁を絵画で飾るように楽しむ「ピクチャーモード」を提案した(写真4)。14枚の名画の画像を簡単に切り替えられる点が,通常の絵画とは全く違う。家の中での大画面・薄型ディスプレイの設置については,“立て掛け”という新たなスタイルを東芝が提案した。壁張りより実用的だという(Tech-On!関連記事12)。

 街の中,オフィスの中にディスプレイを溶け込ませる動きが急速に進展している姿も,今回のCEATECから見て取れた。例えば,街中で目にする看板を電子ディスプレイに置き換えて,コンテンツを書き換えたり,動画を流したりできるようにした“デジタル・サイネージ”関連の展示である。三菱電機がブース内に大きなスペースを確保して「デジタル・サイネージ・ソリューション」を大々的にアピールするなど(写真5),デジタル・サイネージを主要テーマに掲げた企業の展示を会場のあちこちに見ることができた。

 表示技術の観点からは,存在を過度に意識させない紙のような表示品質を持つ電子ペーパーや,空間に浮かび上がる映像表示技術の展示が相次いだ。電子ペーパーは,シチズンセイミツや日立製作所などが出展している。シチズンセイミツは,電気泳動ディスプレイと強誘電性液晶を使い分ける。フレキシブル化が求められる用途にはセグメント型の電気泳動,ドット・マトリクス表示が求められる用途には強誘電性液晶(写真6)を,同社は提案する。日立は,電気泳動ディスプレイを搭載したリムーバブル・ハードディスクの試作品を出展した。電子ペーパーをインジケータやラベルのように使い,ディスクの空き容量や記録した内容を表示させる(写真7)。

 プロジェクタを使って,映像が空間に浮かび上がるように表示させる技術を展示したのが,住友スリーエムや東北大学である。明るい環境でもきれいな画像を得られるようにしたのが,共通の特徴だ。キーとなる技術は樹脂シートである。住友スリーエムは,外光は吸収させてプロジェクタからの光だけが効率よく視認できるような樹脂シートを開発,このシートを使った映像表示のデモを実施した(写真2)。東北大学は,入射光を屈折・拡散させる樹脂シートを開発,これを使った「空中ディスプレイ」を披露した(写真8)。このほか,同技術を利用した3Dディスプレイや「フレームレスディスプレイ」も出展している(Tech-On!関連記事13)。

「LED+局所輝度制御」の液晶テレビ製品化が相次ぐ

 グリーン関連では,大型テレビの低消費電力化技術の展示が相次いだ。液晶テレビの消費電力削減の切り札と見られるLEDバックライトによる局所輝度制御技術は,製品への採用が本格的に始まった。ソニーが8月にこの技術を使った液晶テレビの新製品を発表したのに続き,CEATECの初日にはシャープも新製品を発表した(Tech-On!関連記事5)。このほか,日本ビクターやDolby Japanも技術展示をしている(Tech-On!関連記事14)。日立製作所は,実現技術は明らかにしていないが,LEDバックライトを使って消費電力を約半分に削減した液晶テレビの試作品を出展していた。一方,現在主流の冷陰極管(CCFL)バックライトの液晶テレビでは,光学フィルムやCCFLを改良して消費電力を削減した液晶テレビを,ソニーや東芝などが展示した(写真9,写真10)。

 太陽電池で動作する低消費電力をアピールしたのは,シャープである。40W以下の太陽電池からの電力だけで使える20型液晶テレビや,画面とほぼ同じ面積の太陽電池で楽しめる52型液晶テレビの試作機をそれぞれ出展した(写真3)。このほか,先述の三菱電機のレーザー光源リアプロ・テレビも,低消費電力を特徴にする。65型で135Wの消費電力を実現している。

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