WirelessHDモジュールを組み込んだPDPテレビ
WirelessHDモジュールを組み込んだPDPテレビ
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右からWirelessHDの送信モジュールを組み込んだチューナ部,そしてホームシアターシステム,左がBlu-ray Discレコーダーである。ホームシアターシステムとBlu-ray Discレコーダーには,WirelessHDモジュールは組み込んでいない
右からWirelessHDの送信モジュールを組み込んだチューナ部,そしてホームシアターシステム,左がBlu-ray Discレコーダーである。ホームシアターシステムとBlu-ray Discレコーダーには,WirelessHDモジュールは組み込んでいない
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チューナ部の側面に,送信モジュールを組み込んだ
チューナ部の側面に,送信モジュールを組み込んだ
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WirelessHDのモジュール内部
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 松下電器産業(10月1日からパナソニック)は,非圧縮のHDTV動画を無線伝送できる「WirelessHD」に対応するAV機器を試作,「CEATEC JAPAN 2008」の会場で動作をデモンストレーションした。Blu-ray Discに格納した1080pのHDTVコンテンツを,60GHz帯のミリ波を使って非圧縮で無線伝送した。最大データ伝送速度は4Gビット/秒に達する。同社はこの試作システムを,ドイツで8月に開催された「IFA 2008」に出展していたが,日本で公開するのは今回が初めて。

 試作したのは,WirelessHDの受信モジュールを組み込んだPDPテレビと,同送信モジュールを組み込んだチューナー部,ホームシアター・システム,そしてBlu-ray Discレコーダーである。Blu-ray DiscレコーダーからHDMI経由でチューナーにコンテンツを伝送し,チューナーから無線伝送した。展示会場にはこのほか,任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」が設置されており,Wiiを使ったゲームとの連携も実演する予定。WirelessHDは非圧縮伝送のため,ゲームなどのアプリケーションで利用した場合に遅延が少ないことをアピールする狙いである。

 展示会場で公開したモジュールには,専用のネットワーク・プロセサと,アンテナ一体型のRFトランシーバICが実装されていた。ネットワーク・プロセサは,米SiBEAM社の開発品とみられる。RFトランシーバICには,微細なアンテナ素子が格子状に並べられており,これを使ってアダプティブなビーム・フォーミングを実現している。

 パナソニックは,WirelessHDに対応するAV機器を,2009年度中に製品化する予定を明らかにしていたが,その方針には「変更はない」(ブースの説明員)という。今回の試作機はそのコンセプトをアピールする狙いで見せたもので,パナソニックのブースの一角に専用コーナーを設けるなど,力の入った展示となっていた。

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