【OSC】有機EL照明の特許申請数,日本がダントツでリード
調査会社の英cintelliq Ltd.は,有機ELを発光源とする照明(有機EL照明)についての特許申請数で日本で申請された特許が全体の6割近くを占め,世界を大きくリードしていると明らかにした。同社が主催し,ドイツ・フランクフルトで2008年9月30日に開催する有機半導体技術に関する国際会議「Organic Semiconductor Conference(OSC-08)」のプレイベントで発表した。
cintelliq社によれば,同社は,2003〜2007年の5年間に世界の各地域で申請された有機半導体に関する特許を調査し,その中で有機EL照明向けのものを国・地域別,および組織別に分けて申請数と認可数を調べた。同社は,有機半導体の用途をディスプレイ向け,照明向け,太陽電池向け,それ以外の4種類に分類している。それぞれの申請数の比率は「ディスプレイ向けが73.4%,照明向けが4.2%,太陽電池向けが3.4%,その他が19.0%だった」(同社)とする。
このうち,照明はすべて有機EL照明と一致する。有機EL照明向けの特許申請数は,国・地域別で極東地域での申請が6割超を占め,残りを米国と欧州で分け合う格好となっている。極東地域からの申請数の約9割は日本での申請で,日本のシェアは50%を超える。「日本は有機EL照明技術で他国を大きくリードしている」(cintelliq社)。しかもこの数字は,日本については「翻訳が必要な関係で約3四半期分の集計遅れがあるため,日本のデータは実際より少なめの数字になっている」(同社)という。
組織別では,コニカミノルタが176件(世界全体の14%)でトップ。2位が米Eastman Kodak Co.の152件,3位が松下グループの80件と続く。日本国内での比較では,3位にトヨタ自動車のグループがランクインするという。
数の違いは特許戦略の違い?
ただし,数が多いことを単純に喜んでいいかは疑問のようだ。日本の特許申請が非常に多いことについてcintelliq社のCEOであるCraig Cruickshank氏は「日本の企業は,開発した材料や技術を守るための特許を申請することが多い。結果として各々の特許の影響範囲が比較的狭く,その分数が多くなる。一方,欧米の企業は,特許戦略を考えて,一つの特許にできるだけ幅広い影響力を持たせようとする。医薬品業界の特許の傾向とそっくり」と指摘した。
さらに,cintelliq社は,現時点では日本の特許は,申請数が多い一方で,認可数は欧米に先を越されていることも指摘した。例えば,申請数で世界の5割超を占める日本のシェアは,認可数では27%と約1/2に落ち込む。逆に米国は認可数で59%のシェアと順位が入れ替わる。組織別でも,コニカミノルタの特許はまだ1件も認可が確認できていないが,Kodak社の特許は36件が認可済みだという。
日本で特許の認可数が少ない理由は何かという本誌の質問にcintelliq社は「比較的新しい申請が多く,認可のタイミングが2007年半ば以降になって我々の集計に間に合わなかったせいかもしれない」と回答した。













