「2008年末に,米Applied Materials Inc.(AMAT)のターンキー・ラインを導入して,薄膜Si型太陽電池の生産を開始する。2011年の生産能力は2GWになる」。

 2008年9月21日に中国常州で開催された「The 10th China Solar Photovoltaic Conference」に登壇した,中国Best Solar Hi-Tech CO., Ltd. CEOのPeng Fang氏の講演に,会場からは驚嘆の声があがった。

 Best Solarは,中国江蘇省の蘇州に第一工場を,江西省南昌に第二工場を建設する予定である(同社 ホーム・ページ)。投資金額は,それぞれ25億米ドルになる。

 生産開始時期は,蘇州工場が2008年末,南昌工場が2009年第1四半期を予定する。2010年下期には蘇州工場の生産能力が1GW/年に,さらに2011年までに両工場を合わせた生産能力が2GW/年に達する見込みである。

 同じく薄膜Si型太陽電池の新工場を大阪府堺市に建設中のシャープは,2010年3月までに480MW/年の規模で生産を開始し,その後1GW/年まで拡張する計画である(ニュースリリース)。こうした計画と比較して,Best Solarは世界で最大級の薄膜工場を持つことになる。

薄膜Si型太陽電池の製造をリードする


 Best SolarのFang氏は講演の中で,太陽電池の市場や同社の状況,薄膜Si型太陽電池のビジネス環境などについて,次のように述べた。

 原油価格が100米ドルを超える中,今後は太陽電池の発電コストを3米ドル/Wに下げていければ,2010年に世界中で40GWの需要を産み出すことも可能だろう。Si原料の供給不足によって,薄膜Si型太陽電池が優位な状況にある。