【photokina】1000万画素以上は本当は不要,信念の下で生まれた「超高画質」ハニカム《訂正あり》
富士フイルムは,自社設計のCCDの新版「スーパーCCDハニカム EXR」を「photokina」に出展した。既に概要は報じているが,開発者に真意を聞いたので報告する。
富士フイルムは,1000万画素以上の有効画素数を実現しなければ商品にならない現状の中で,画質を追求するために,スーパーCCDハニカム EXRを設計した。
具体的には,ユーザーが了承すれば,有効画素数の半分の画素数で記録することで,飛躍的に画質を高める。その画質は,近年のコンパクト機の中で最高と評価されたこともある「F30」「F31fd」「S6000fd」を超えるという(テスト・チャートを根拠にF31fdの画質を高く評価するサイトの例)。
同社が設計したスーパーCCDハニカム EXRは1/1.6型。有効画素数は不明だが,画素ピッチはさほど狭くないという。この撮像素子の搭載機は,2009年の早い段階で登場する見込みである。
以下では,富士フイルムの狙いと実現方法を順を追って説明する。
まず富士フイルムは,白飛びなどを抑制するため,1度の撮影に2枚の写真を撮って後段で合成する,いわゆる「2面合成」によってダイナミック・レンジを拡大することにした。ただし,その手法は,過去にコンパクト機に搭載した「スーパーCCDハニカム SR」とは異なる(関連記事)。
SRでは,面積や空乏層の深さが異なる2種類のフォトダイオードを用いて,同時に2種類の画像を取得していたが,こうした撮像素子は量産性が低く,製造コストが大幅に上昇した。そこで今回のEXRは,同社の「スーパーCCDハニカム HR」を含む通常の撮像素子と同様に,フォトダイオードはほとんど均一な特性を備えた。
どうやって同時に2枚の画像を取得するかというと,1撮像期間中に櫛の歯状(Side AとSide B,2枚目の写真参照)に分割して2回読み出す。シャッター速度や画像処理の設計者の意図によっては,Side AとSide Bの露光時間を極端に変えられる。この結果,EXRのダイナミック・レンジは,SRで実現していた通常比4倍を超えて,8倍程度まで拡大できる可能性があるという。
ただし,Side AとSide Bに分割するときに,従来の色フィルターの配列のままではRGBのバランスが非常に悪い。そこで富士フイルムは次のように配列を変えた。
<従来>
R B R B
G G G
B R B R
G G G
<今回>
R G R G
R G R
G B G B
G B G B
さらに,こうした色フィルター配列を生かした「ビニング(画素加算)」手法を適用した。画素加算とは,撮像素子内で複数の画素から出力された信号電荷を一つにまとめることを指す。暗所撮影時の画質を高められる利点がある。
通常の色フィルタ配列におけるビニングでは,画像の解像度が低下することを承知の上で,水平あるいは垂直方向にある1行または1列先の同色の画素ごとに信号電荷を加算している。しかし,今回は斜め方向に同色画素が隣り合っている。そこで,これら同色の2画素を1画素にまとめることで解像度の低下を回避した。記録画素数は有効画素数の半分になる。
富士フイルムは,以上の技術・機能をユーザーが容易に利用できるようにするという。詳細は不明だが,二面合成かビニングか,はたまた両方とも適用しないのか(明るく恵まれた撮影環境ならば全有効画素を記録する),カメラ側で画像認識結果を使って自動選択する機能を開発しているのかもしれない。
■訂正
一部機種名を誤って記載しておりました。現在は修正されております(9/30 16:15)












