NTTドコモとモルフォは,携帯電話機向けの映像コンテンツを高画質で拡大する技術を共同開発したと発表した(発表資料)。携帯電話機で映像コンテンツを全画面表示する際のノイズやチラつきを軽減し,鮮鋭な映像を実現できるという。

 320×240画素の映像コンテンツを4倍の解像度の640×480画素に拡大し,より高画質な映像として楽しむことが可能。携帯電話機に搭載されれば,ワンセグや圧縮率の高い「YouTube」などの動画コンテンツも,現在と比べて高画質で見ることができるようになる。両社は,2009年度中に端末へ搭載することを目指している。

 今回開発した技術には,圧縮に伴うブロック・ノイズやモスキート・ノイズといった符号化による歪みを軽減する仕組みを組み込んでいる。従来の携帯電話機向け映像拡大技術では,データの送信過程で発生するこれらの歪みを含めたまま映像を拡大するなどの理由で,映像がぼやけて表示されることがあったという。また,映像内の人物や物体の輪郭線を維持しながら,より適した画像補正処理を行うことで,人の目で見たときに重要となる人物や物体の輪郭部分にメリハリが付いた映像を実現できる。

 NTTドコモは,現在フルワイドVGA(480×854画素)の液晶ディスプレイを搭載した端末などを販売しているが,ワンセグや「iモーション」などの映像サービスでは,QVGA(320×240画素)の映像が主流。NTTドコモとモルフォは,携帯端末で表示可能な映像と映像サービスで提供する映像の画素数に差があるため,今回の映像拡大技術を開発したという。

 なお,両社は,この映像拡大技術を2008年9月30日~10月4日に幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2008」で紹介する予定。

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