今年のCEATECは地球温暖化対策と健康志向に注目したい。2008年7月に開催された「北海道洞爺湖サミット」で盛り上がった省エネルギー製品の勢いをそのままに,CEATECでは発電,蓄電,照明分野を中心に省エネルギー効果に優れる電子部品の出展が期待できそうだ。

 このうち発電関連では,太陽電池や燃料電池の動向が気になるところだ。前回のCEATECで展示が相次いだ色素増感型太陽電池は,変換効率がより高まり,量産品に近い形での展示を期待できそうだ。2009年の実用化がささやかれている携帯機器向け小型燃料電池は量産試作品の展示が登場あるかどうか,注目である。

 蓄電関連では,Liイオン2次電池と大容量キャパシタの動向が気になる。2006年からノート・パソコンや携帯電話機で事故が多発したため,高容量化が滞っていたLiイオン2次電池に新たな動きが出そうだ。2009年にSi合金系材料を負極に用いたセルを販売する意向を日立マクセルなどが示しており,新型セルのサンプルを会場で見ることができるかもしれない。このほか,鉛蓄電池の代替も可能なLiイオン・キャパシタをはじめとした大容量キャパシタの製品動向も是非押さえておきたい。

 さらに,家庭やオフィスで使用する電力のうち,大きな比率を占める照明分野に注目したい。この分野では,白熱電球や蛍光灯の代替を狙い,高出力の白色LEDの開発競争をエレクトロニクス・メーカーが繰り広げている。また,大型テレビの画質向上と低消費電力化を実現するLEDバックライト技術の進化にも期待したいところだ。

 一方,メタボリック症候群やアンチエイジングなど健康志向を背景に盛り上がりを見せるヘルスケア関連製品も見逃せない。前回のCEATECではNTTドコモが体脂肪率や脈拍,口臭,歩数などを測定できる携帯電話機「ウェルネスケータイ」を試作し,来場者から熱い視線を浴びていた。今回のCEATECでも,より進化したヘルスケア製品が各社から登場するものと見られる。

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