「『松下電器産業の大坪』と紹介される最後の機会と思って出席しました」
「『松下電器産業の大坪』と紹介される最後の機会と思って出席しました」
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 松下電器産業は,2008年10月1日から社名とブランド名を「パナソニック」に統一することを受けて,白物家電事業に関する説明会を東京都内で催した。白物家電で従来使っていた「ナショナル」ブランドを「パナソニック」ブランドに変える狙いや,洗濯機や冷蔵庫などの新製品の概要を発表した。

 まず同社 代表取締役社長の大坪文雄氏が登壇。「従来,『松下』『パナソニック』『ナショナル』で分散していた価値を一つに結集したい。世界中の従業員が一丸となるという思いを込めた」と語った。次に登壇した代表取締役副社長の牛丸俊三氏は,家庭で購入する商品のうち,松下電器産業が手掛ける機器・設備の金額は,合計すると自動車よりも高額になると指摘。ただし,これまでは異なるブランドが混在していた結果,同じ会社の製品と分かってもらえないことがあったとし,ブランドの統一で売り上げ増につなげたい意向を示した。

 同氏は,パナソニック・ブランドの製品で力を入れる点として,「超・繋がる」「超・省エネ」「徹底したユニバーサルデザイン」の三つを挙げた。ネットワークを通した機器の連携や,消費電力の低さや地球環境に配慮しているというイメージ,子供から高齢者まで使いやすい製品などで,他社との差異化を図るという。このほか,同社独自の「ブラックボックス技術」の活用や,デザインによるブランド・イメージの統一に言及。ブラックボックス技術の例として,帯電水微粒子発生技術「nanoe(ナノイー)」や真空断熱材の「U-Vacua」などを挙げ,後に続く新製品の発表につなげた。また,「パナソニックらしいデザイン」としては,「あこがれとやさしさのデザイン」を目指すと訴え,白物製品の色として「ホワイト」に加えて「ブライトシルバー」と「マホガニーレッド」を揃えるとした。牛丸氏は,パナソニック・ブランドへの移行を消費者に周知する「Hello! Panasonic」キャンペーンの概要も発表。「年末にかけて,過去最大規模の10万本のテレビ・コマーシャルを投入して,パナソニックのブランドを浸透させる」(牛丸氏)という。

 最後にエアコン,冷蔵庫,洗濯乾燥機,サイクロン掃除機の新製品を発表。エアコンは,業界トップの省エネ性能と,nanoeによる美肌効果を売り物にするという。冷蔵庫は既存の同社製品と比べて消費電力量を30%削減したほか,既存機種の3倍の速度で冷凍できる機能を搭載。洗濯乾燥機では,省エネ,節水でそれぞれ業界1位を実現し,洗浄能力を従来比15%高めたとする。サイクロン掃除機では,新方式で吸引力が持続するようにしたほか,消費電力を従来比45%削減したという。

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【動画】発表会の模様をビデオでご覧いただけます(制作=BPtv)

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