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HOMEエレクトロニクス電子設計 > 【マイコンデータ室】Intelプロセサの系譜(3)「Core 2~」

【マイコンデータ室】Intelプロセサの系譜(3)「Core 2~」

  • 大原雄介=フリーランス テクニカルライター
  • 2008/09/16 22:39
  • 1/2ページ

 「Merom/Conroe/Woodcrest」という開発コード名で呼ばれていたプロセサが,「Core 2 Duo」という名前で製品化されたことによって,米Intel Corp.が長かったPentium 4の時代から抜け出したのは2006年の事だ。同プロセサは,「Yonah」をベースにパイプライン内部を強化してIPC(Instructions Per Clock)を引き上げるとともに,数々の拡張命令や64ビットに対応していた。動作周波数こそPentium 4よりやや下がったものの,はるかに低い消費電力と高い性能をたたき出したことから,この製品はあっという間にメインストリーム向けに普及。「Netburst」ベースのCPUは,Celeron向けにわずかに残るというところまで一気に切り替わる。


(画像のクリックで拡大)

 このとき,サーバー,デスクトップ,モバイルの各分野にほぼ同一のタイミングで投入されたことも,これまでにない動きだった。時期的にはサーバー向けが1カ月だけ早かったものの,これは誤差のうちである。また,これに引き続き二つのCPUダイをMCMの技法を使ってワンパッケージに収めた「Kentsfield/Clovertown」ベースの製品が,「Core 2 Quad」あるいは「Xeon」としてやはり2006年中に投入された。こちらは動作周波数こそやや下げられたものの,トータルとしての演算能力はほぼ倍増することになり,処理性能が必要とされる用途で好評を博す事になる。またMobile向けにはLow Voltage/Ultra Low VoltageのCore 2 Duoが投入されると共に,後追いの形でより消費電力を下げたCore 2 Solo(Single Core)も投入されるなど,性能/消費電力のレンジを幅広くカバーする形で製品ラインナップが揃った。

一部でポジショニングが混乱

 ただこれにより,一部製品のポジショニングが混乱したマーケットもある。それはバリュー向けである。バリュー向けは従来Celeronが担ってきており,これはCore 2世代でも変わらなかったのだが,ちょっと話がややこしいのは従来のCeleronは,「シングル・コアのみ」「FSB(front side bus)を低めに維持」「L2キャッシュの容量を制限」といった3点で品種間の差異化を図っていたからだ。ところが「デスクトップ向けは全てDual Coreとする(つまりCore 2 Soloはデスクトップには投入しない)」というポリシーを打ち立てたことで,Celeronに投入できるコアが限られてしまった。理論上は,例えばCore 2 Duoのうち,片方のCoreに欠陥があるダイを選び出して,そちらを殺す形で投入できるわけだが,Core 2の歩留まりはかなり高く,欠陥品を選び出すだけでは需要を十分に満たせないという問題があった。だからといって正常に動作するダイの片方のCoreを殺して出すのは,Core 2そのものの需要が高い状況では無駄が多すぎる。

 もう一つは,Core 2 Duoの性能がかなり高いために,Celeron系列とのパフォーマンスギャップが大きくなりすぎることも問題視されていた。性能バランスをとるため,「Conroe」の一部の製品は動作周波数を抑えると共にL2キャッシュ容量を半分(2MB)に抑えたものがラインナップされた(このコアがAllendaleと呼ばれる)が,それでも「Netburst」ベースの製品とCeleronとの性能差が極端に大きくなりすぎていた。

Celronの移行後も続く混乱

 結局,Core 2の需要が一段落した2007年頃に,CeleronもCore 2ベースに移行する(これはConroe-SCと呼ばれる,Conroeの片方のCoreを殺した製品)と共に,CeleronとCore 2 Duoの性能ギャップを埋めるものとして,「Allendale」のL2容量を更に半分(=1MB)としたPentium DualCoreと呼ばれる製品を投入した。ところが2008年にはそのCeleronがいきなりDual Core化してしまう。Celeron DualCoreとして投入されるのは,AllendaleのL2容量を1/4にしたAllendale-512Kで,Pentium DCとの違いはL2キャッシュ容量と動作周波数というあたりだった。当初はPentium DCは最終的にCeleron DCに吸収されると考えられたが,むしろ一部のサーバー向けやMobile向けにPentium DCが登場するなど,Celeronとのポジショニングがやや混乱した状態が続いている。

 もっとも,製品名はともかくとして動作環境はどちらも変わらないため,Pentium DC向けのボードにCeleron DCを搭載したり,あるいはその逆にしたりといった事は簡単にできる。Core 2世代になって,一部の超低消費電力向け(つまりActive Fanを使わずに済む10W未満の機器)は別にすると,主要な組み込み向け製品はAllendaleベースのCore 2 DuoやPentium DCを採用するケースが増えている。「Conroe-SC」ベースのCeleronやCeleron DCの登場で,幅広い性能・消費電力の組み合わせを,Mobile向けよりもやや安いDesktop向け製品で構成できるようになったのは喜ばしいことではある。ただし,組み込み向けの長期製品供給保障が行われている製品のみで考えると,そこまでの自由度はなかったりもする。

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