「NM706i」
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光沢のある表面
光沢のある表面
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マットな仕上げの裏面
マットな仕上げの裏面
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ノキア・ジャパン 代表取締役社長のタイラー・マクギー氏
ノキア・ジャパン 代表取締役社長のタイラー・マクギー氏
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ノキア・ジャパン マーケティング部 部長のベラ・シュワイガー氏
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Nokia社のデザイナーのヤン・チップチェイス氏
Nokia社のデザイナーのヤン・チップチェイス氏
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デザインの際に注目する3つの要素
デザインの際に注目する3つの要素
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「観察し,それからデザインする」
「観察し,それからデザインする」
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 フィンランドNokia Corp.の日本法人であるノキア・ジャパンは2008年9月10日に開催した記者発表会で,同社の携帯電話機「NM706i」やデザイン手法などについて説明した。

 NM706iは,NTTドコモから2008年8月8日に販売開始された端末。NTTドコモから販売されるNokia社製の3台目の端末で,「NM705i」の後継機種である。大きさ約105mm×46mm×16mm,重さは約94gと小型で軽量なのが特徴。第3世代移動体通信(3G)とGSM方式に対応し,海外ローミング機能を持つ。海外での利用が便利なように,英和/和英辞書機能や英語の予測変換機能などを備える。メールや「iモード」は利用可能なものの,ワンセグや「おサイフケータイ」機能には対応しない。ディスプレイは,320×240画素(QVGA)の約2.0型TFT液晶パネルを搭載。カメラ機能の有効画素数は約200万画素。インタフェースはBluetoothのほか,2.5mmオーディオ・コネクタ,microSD/microSDHC,miniUSB,Nokia PC suiteに対応する。

 筐体は,表面を光沢のある仕上げとし,裏面はマットな仕上げとした。色はパッショネートレッド,ミステリアスブラック,クラウディシルバーの3色。メインの色となるパッショネートレッドは,「日本の伝統的な口紅である紅をヒントにした」という。NM706iは,20~30代くらいの感性を大切にする若いビジネス・パーソン向けだが,「女性を意識したデザインになっている」(ノキア・ジャパンの説明員)とする。

 発売以来の売れ行きについては,「久々の発売となった705iの発売後と比べるとそれほどでもないが,好評を得ている」(同説明員)という。

デザインの際には3つの要素のバランスを重視

 加えて,同社は製品のデザイン手法について説明した。まず,製品をデザインするときに注目する要素として「simply beautiful(美しいこと)」,「joy to use(使う喜びを与えること)」 ,「relevant(人の生活に関連性の高いものであること)」の3つを挙げた。この3要素がちょうどいいバランスになることが重要であるとする。特に,人の生活に本当に関連性の高いものをつくり出すには,対象とする人の間に存在する共通点や相違点を理解することが重要とし,Nokia社のデザイン哲学の中心になるのは「observe then design(観察し,それからデザインすること)」と説明した。このため,同社には人間の行動(human behavior)を研究する研究者もおり,世界中で消費者の生活を調査したり,場合によっては試作品を現場に持ち込んで,周りがどう反応するかなどを試すこともあるという。

 このような観察と製品デザインの関係の一例として,Nokia社のデザイナーであるヤン・チップチェイス氏は,携帯電話機の電池駆動時間に関わる事例を紹介した。チップチェイス氏によれば,「若いユーザーは,目覚まし代わりに携帯電話機のアラーム機能を使う人が多い。しかし,出張などの外出先で充電器がない場合には,電源を入れたまま目覚ましを設定すると,朝までに電池が切れるのではないか不安になるという問題があった」という。Nokia社はこれに対し,目覚ましを設定した後に電源を切っても,設定した時刻になると自動的に電源が入る機能を開発した。チップチェイス氏は,「製品のデザイン上の決定一つひとつが,こういった思考に基づいている」と説明した。